記事

事業者
栃木県宇都宮市

宇都宮市DC、交渉権者に三菱地所グループ、総事業費1兆円、1棟目30年度稼働

2026/10/28 栃木建設新聞

 宇都宮市は、データセンター(DC)整備事業の優先交渉権者に三菱地所(東京都千代田区)を代表企業、東日本旅客鉄道(渋谷区)、デジタルエッジ・ジャパン(千代田区)を構成員とするグループを選定した。建設予定地は相野沢町の新栃木変電所南側約37ha。グループの提案は高さ約20mの4棟を整備する内容で施設稼働時に設置されるサーバーなどを除く現時点の総事業費は約1兆円。11月から市と予備協議を開始。提案スケジュールは2027年度に用地買収交渉、28年度に造成工事、29年度から新築工事に着手。30年度に1棟目稼働、35年度をめどに全施設稼働を目指す。

 選考方法は公募型プロポーザル。4月に募集要項を公表し5グループが提案。9月30日に外部委員3人と市職員7人で構成する審査委員会で提案内容を審査。実績(50点満点)と提案(150点満点)の評価で三菱地所グループが最高の145・88点を獲得した。次点者は137・39点。

 市は三菱地所グループの提案について、市の重点振興産業の集積や企業間連携に伴う新事業創出、整備運営における地元企業の活用など高い経済効果、まちづくりへの波及効果の創出ができる優れた内容と説明。

 排水計画や外周部への緑地帯配置など周辺環境に配慮。早期稼働開始に向けた施設整備、DC稼働に必要な電力の早期受電や通信インフラ整備について具体的なスケジュールを提示。高い実現性と地域の歴史文化継承への参画といった提案が高く評価された。

 今後は市と同グループが10月末をめどに地権者説明の実施などについて定める基本協定を締結。11月以降の予備協議では建物の高さや道路、水路といった公共施設の取り扱いなど土地利用、施設計画など開発行為にかかる各手続きについて調整。

 27年3月に市と事業者の役割分担や権利義務、周辺環境への配慮、地域貢献などについて覚書を締結する予定。 

 三菱地所は米国でDC開発実績があり、子会社の丸の内ダイレクトアクセスが国内でDCを運営。デジタルエッジ・ジャパンはシンガポールに本社を置くデジタルエッジグループの日本法人。国内では東京、大阪、横浜でDCを所有し運営。三菱地所を代表とするグループ企業が連携し、土地取得やDCの開発所有、運営を一貫して行う体制をとる。

 騒音への配慮では音を発する屋上の設備機器を含め外周道路から建物の距離を十分に確保。停電時にサーバーへの電力供給を維持する大型非常用発電機は屋内に設置する。

 廃熱に対しては冷却設備などの熱源機器を建物屋上に設置し、周辺への熱の影響を抑制。設計段階で廃熱拡散シミュレーションを行い、周辺への廃熱の影響を低減する。現時点でサーバの冷却は空冷方式を基本とし、水消費を抑制した最適なシステムを計画していくという。

 市は整備段階で地元企業への発注による経済波及効果を約240億円と試算。優先交渉権者によると4棟整備後のサーバーなどを除く設備の固定資産税は年間約80億円を見込んでいるという。

 建設予定地はJR宇都宮駅の北約13㎞、東北新幹線東側に位置する市街化調整区域、農振農用地。浸水想定区域などハザード指定がなく、周辺に活断層も存在せず災害リスクが低い安全なエリア。地域未来投資促進法に基づく規制の特例措置を活用する。

 27日の市議会議員説明会で説明した。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら