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千葉県勝浦市

企業誘致で雇用創出/駅北口には民間活力検討/磯野典正 勝浦市長インタビュー

2026/10/29 日刊建設タイムズ

 8月2日の勝浦市長選挙で初当選を果たした磯野典正氏が、日刊建設タイムズの単独インタビューに応じた。「経営感覚」を取り入れた行政を展開するため2027年4月に「(仮称)経営課」を新設し、空き校舎や空き店舗などを活用して企業や起業希望者を呼び込み、雇用の創出を図っていく。勝浦駅北口の市有地の活用に向けては、民間活力導入の可能性を含め、企業へのアピールを強めていく。


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 ――就任に当たっての抱負や、今後の展望は。


 磯野 全ての市民にとって「幸福度の高いまち」とすることを目標に、「住んでいてよかった」「住み続けたい」「戻ってきたい」と思えるまちづくりを進めていく。まちの魅力は、安心や安全、持続可能性にもつながっていく。勝浦市で生まれた身としては、人口減少を寂しく思っているが、まだまだポテンシャルがあると感じているため、他市町村にはない素材を掘り起こし、発信していきたい。


 ――民間企業経営者や市議会議員としての経験を、市政にどう生かしていくのか。


 磯野 行政にも「経営感覚」を持たせたいと考えており、27年4月から「(仮称)経営課」を設置し、地域で価値を創出するとともに、その成果を地域に還元し、循環させたい。ふるさと納税や企業版ふるさと納税などを通じて、収入を増やしていくことが重要。また、空き校舎・空き店舗・市有地などを活用し、勝浦市で起業したい人や、新たな事業にチャレンジしたい企業を呼び込むことも必要。人や企業を勝浦市に連れてくることが「(仮称)経営課」の一番の役割となる。


 ――空き校舎はどのように活用していくのか。


 磯野 26年3月に小学校3校が閉校となり、5校分の空き校舎が生じている。各校舎について、建物の面積や規模などの整理が完了次第、企業経営者としてつながりを持った人や、まちおこしなどに取り組んでいる企業に対してトップセールスを行い、公民連携での有効活用を提案したい。


 ――どのような用途を想定しているのか。


 磯野 IT系や製造など新たな産業を誘導し、雇用創出を図りたい。IT系であれば在宅で働ける環境が創出され、Uターンにつながることも考えられる。


 ――空き家の活用については。


 磯野 専門的な企業の支援も受けながら、27年度に空き家の調査を始めたい。28年度には空き家の活用を開始し、若年層のUターンやIターンを促していく展開を想定している。


 ――「港の駅」と「道の駅」の設置計画については。


 磯野 新勝浦市漁業協同組合が定置網漁などを始めることを予定しており、水揚げされる魚種も増えると想定される。「港の駅」を設置し、その魚を食べられる場所を作っていきたい。朝市との連携が図ることができれば、「全天候型の朝市」の開催の可能性もある。「道の駅」については、平常時と災害時の垣根を無くす「フェーズフリー」の考え方を取り入れ、有事の際には避難所など防災拠点としても活用できるようにしたい。また、入浴施設の導入について、竹チップなど地元にある資源を燃料としてボイラーを動かし、電気が止まってもお湯を沸かすことができる仕組みを考えている。


 ――道路整備に関しては。


 磯野 渋滞解消や安全性、走行性の向上に寄与する国道297号松野バイパスの早期開通が必要不可欠。国道297号は緊急輸送路に指定されているため、関係首長の皆さんと一緒に、要望活動を行っていきたい。


 ――勝浦駅北口市有地の今後の利活用は。


 磯野 民間活力導入の可能性を含め、自らがアピールしていかなければならないと考えている。


 ――地域建設業に対する思いは。


 磯野 地域建設業の皆さまには、地域の守り手として令和8年台風第25号の際も支えていただき、感謝に堪えない。人材の確保や物価高騰など厳しい環境下だが、可能な限り地元発注を心掛け、助け合いながら成長していきたい。


 ――趣味や日々の習慣について。


 磯野 趣味はゴルフと洗車。洗車をしているときは、無心になれる。また、早寝早起きを意識しており、予定がなければ午後8~9時には寝て、午前5時に起きている。


 ――大切にしている言葉や、心掛けていることは。


 磯野 「挑戦の先には、成功か学びしかない」を座右の銘としている。失敗というのは、何もしないこと。勝浦市で「何かやりたい」という人や、ここで何かを生み出す人、いわば「チャレンジャー」が増えてほしい。若者や企業などに、勝浦市に来てもらいたいという思いにもつながっている。


【略歴】

 いその・のりまさ

 1974年6月20日、勝浦市生まれ。木更津中央高校(現・木更津総合高校)卒業。99年1月、住宅設備会社を開業。2004年7月、㈲シンコーエンジニアリング代表取締役に就任した。11年5月、勝浦市議会議員に初当選し、19年5月から21年5月まで副議長を務めた。26年8月の市長選挙で初当選し、第9代市長となった。

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