足利、栃木、佐野、鹿沼の4市は11月をめどに、上下水道料金等包括業務委託の共同発注に向けた協議会を発足させる。4市は料金徴収や窓口業務の共同発注を皮切りに広域化を進める方針。検討の精度を上げ、具体的内容の詰めを加速させる協議会を立ち上げる。協議会発足後、2027年秋に4市が協定を締結。28年に事業者を選定。受託者の準備期間を経て30年4月から共同化開始を目指す。
上下水道は安定した県民生活や社会経済活動を支えるのに欠かせないライフラインで、水道法の規定では市町の独立採算制が原則。経営継続性確保には損益や資産の把握、投資必要額と財源の具体的な推計により将来の見通しとリスクの見える化が求められる。
各市の上下水道企業会計は人口減少社会を反映し、収益の目減りや施設の老朽化に伴う更新費用が増大の一途。経営環境は厳しさを増す一方、事業規模縮小で従事する職員は減少傾向。知識や技術の継承が危ぶまれ、これらの課題を解決する方策の一つが広域化。
各市が個別に実施してきた業務は区域を越えて共同化。連携手法は①管理の一体化(業務の共同委託、物品の共同購入)②施設の共同化(余力施設を活用し他市に供給)③経営の一体化(同一経営主体による複数事業の経営)④複数事業体の統合-が挙げられる。
4市は24年度から情報交換会を重ね、共同化の在り方を検討。27年秋の協定締結時までに共同化する業務範囲や費用負担率を定める意向。現時点で共同化を予定するのは「窓口・受け付け」「検針」「料金収納」「開閉栓」「メーター管理」「電算処理」の各業務。
イメージはコールセンターの共同設置、共同で調達したデータセンターでのサーバーやシステムの共同利用、帳票類書式やレイアウトの統一化。これらによりスケールメリットによる費用の縮減、知識や技術の継承につながる効果を期待している。
協議会規約案で委員は各市の上下水道局長または上下水道部長を充て、正副会長は各1人。会長は委員の互選で選出し、副会長は委員の中から会長が指名。会議は会長が招集し、議長を務める。議事は過半数で採択し、可否同数の場合は議長裁定。
協議会が必要と認める時は外部の者に会議への出席を求め、意見を聴く。傘下に4市の上下水道職員で構成する作業部会を設置し、部会員の互選で部会長を選出。作業部会は協議会の円滑な運営を支える。協議会の庶務は栃木市上下水道総務課で処理する。
県は23年5月に県水道広域化推進プランを策定。事業体単独での効率化や合理化には限界があり、中長期的な視点に立ち県内事業体間の広域化議論を活性化し実現に導く基礎資料を提供。「安全な水を、いつでも、いつまでも安心して受け取れる水道の実現」が目標。
県南地域広域圏モデルに足利、栃木、佐野、鹿沼、小山、下野、壬生、野木の6市2町を示し、水需要は40年後で約30%の減少と予測した。歴史的、行政的な関係性がある地域では、それ以外の多様な枠組みを考えた上で柔軟に対応することを勧めている。
県は「水道事業体の将来の在り方を最終的に決定するのは水道事業体自身である」という基本的な考え方を尊重。検討に当たっては比較的取り組みやすい「管理の一体化」から開始することを促している。各種調整に県は支援を惜しまない姿勢を強調した。
















