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国土交通省鬼怒川ダム統合管理事務所

鬼怒ダム、左岸工事用トンネル12月公告、川俣ダムに88m、アンカー補強へ

2026/11/05 栃木建設新聞

 国土交通省鬼怒川ダム統合管理事務所は、日光市の川俣ダムで岩盤PS(プレストレスト)アンカー補強工と左岸工事用トンネルの設計を固めた。補強工事に先立ち下流左岸側に工事用トンネルを施工する。12月にも一般競争入札を公告する見通し。トンネル長は88m、ダム天端から片押しのNATMで施工。工期に13カ月を見込んだ。施工時にダムの支持力を支える岩盤をアンカーで補強。ダム建設から60年が経過。アンカーの劣化が進み補強のための更新工事を行う。岩盤補強設計はダム技術センター・日本工営JV、工事用トンネル設計をドーコンが担当。

 川俣ダムは1966年に完成したアーチ式コンクリートダム。洪水調節やかんがい用水の供給、発電などを行う多目的ダム。稼働から約60年が経過し、堤体を支持する岩盤基礎の劣化が目立つようになった。

 アーチ式ダムは、水圧を受けると、アーチスラスト力を両岸の岩盤に伝える。ダム建設時に左岸で断層が見つかり、岩盤内に荷重伝達地中壁(トランスミッティングウォール)を築造。PSアンカーで岩盤と一体となるよう締め付けた。

 今回は更新2期工事で、1期工事は17~20年度に実施。岩盤PSアンカー工59本の更新を完了。更新アンカーには、固定端と中間部の2段階で緊張する前例のない構造を採用したという。

 2期工事は堤体を支持する岩盤の左右岸に残る半数の54本を更新する予定。工事期間は28~32年度の5カ年を予定している。

 工事用トンネルを施工する左岸擁壁の下流側開口部には、断層の緩みを伴う風化岩を確認。2期工事では岩盤PS補強工と同時期に調査と対策を行う。これらの工事での架台設置や資機材の運搬に重機などの進入ルートが必要となった。

 ダム下流右岸側は登山道と吊り橋しかなく、重機の進入が不可能。堤体左岸から下流の吊り橋まで工事用トンネルを施工し、進入ルートを確保する。

 工事用道路は一般道路からダム管理用道路を経由。ダム天端から左岸の補強壁にトンネルを掘削する。ダム天端の幅員は4・4m。天端にはクレストゲートを格納する設備があり、狭小部は約2・9mで掘削機械の搬入が制限。

 左岸に新設する工事用道路は全長が岩盤を貫くトンネル。資機材の搬入や作業の円滑化を目的にトンネル工の幅員は6m、高さは4・7mを確保する。27年度までにトンネル工を仕上げ、28年度からの2期工事に備える。

 トンネル工は国庫債務負担行為で発注。柔軟な着手時期を選択できる余裕期間制度(任意着手方式)を活用。山間部のダム施工地という地理的特殊性を考慮し、地域外からの労働者確保に要する間接費の設計変更を認める。

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