開会中の平成12年第2回定例県議会は3日、一般質問を行い、県内最長となる県道・石岡下館線「上曽トンネル」(延長約3・4km)の建設について、島田健一土木部長が「来年度から新たに国庫補助事業を導入し、夏ごろには起工式ができるよう本格的に事業の推進を図る」とした。早期着工に向け動き出した懸案事項だが、予定では16年度に完成する。白田信夫氏(自民党)の質問に答えた。
県道・石岡下館線で、最大の交通難所となっているのが筑波山系の上曽峠。水郷筑波国定公園内の上曽峠区間の現道は、筑波山塊を山越えする道路で、曲線半径が小さく急勾配なため大型車のスレ違いも困難となっている。
打開策として事業化を決定したトンネルの新ルートは、新治郡八郷町新田から真壁郡真壁町山尾までの約6・1kmで、総事業費が約120億円。このうちトンネル区間は約3・4kmで約100億円が見込まれる。
取付道路は真壁町側が約1・0km、八郷町側が約1・7kmで計画。交通量の予測では、現在の1日当たりの交通量の2・5倍強となる約7、600台を見込み、標準幅員6・5m/17~13m(トンネル部車道幅員6・5m)、3種2級(設計速度60km/ha)の規格を予定。
平成2年に調査を開始して以来、これまでに概略設計、路線測量、環境調査などを実施。昨年度には自然公園法に基づく手続きを終え、用地測量を行った。
今年度のスケジュールについて島田部長は「用地取得を進めるとともに、トンネルの詳細設計を実施し、緊急時のための通報設備、消火設備、非常駐車帯など、非常施設のほか自転車歩行者道の設置について具体的に検討する」と答えた。
設計は、日本工営(株)(東京都千代田区麹町五-四)が担当。完成すれば常磐自動車道の日立トンネル(約二・四km)を抜き県内最長となる。
なお、トンネル本体の整備には膨大な費用がかかるため、有料道路事業の導入により早期完成をめざす考え。