東京都港区のマンションでシンドラーエレベータ㈱製エレベーターの事故が発生したことを受けて、県土木部建築指導課および住宅課は、県内の同社製エレベーターの設置状況調査と対応状況をまとめた。6月12日時点で県が把握している結果では、県内にはエレベーターは約7500台設置されており、そのうち同社製のエレベーターは50台前後。
同社製のエレベーターは、国土交通省からの指示を受けて、県および特定行政庁がエレベーターの設置者または管理者に対する緊急点検を実施する。点検方法は、建築基準法に基づく定期報告に準じた点検。
点検結果は報告事項として①結果の適否、過去の事故や不具合があった台数②少なくとも過去1年間で、事故や不具合などがあったか-を求める。
点検結果は6月28日にまでに国に報告する。
一方、県営住宅のエレベーターは、今年4月1日現在で32団地に134基が設置されており、そのうち同社製のものは、田尻浜アパート(日立市)の42基のうち11基に設置。
県営住宅のエレベーターの管理は、指定管理者である(財)茨城住宅管理協会に委託しており、同協会では保守点検業務を同社に再委託している。
同アパートへの対応としては、今月7日に県の電気技術職員が現地を調査。すべてのエレベーターについて次回点検時期に安全性の再確認を指示するとともに、保守点検報告書により過去5年間の不具合発生調査を実施。
今月10日にはアパート住民に対する説明会を開催した。
今月16日には、シンドラー社に対して緊急点検を指示する予定。
同アパートではこれまでは、昨年7月24日に入居者親子が閉じこめられる事故が発生。その原因は、落雷によって当該エレベーターが故障し同社が修理を行ったが、修理に不十分な点があったため。
事故後、同社では①事故救出体制の見直し②故障修理後の性能確認および試運転による安全の確保-という再発防止策を実施した。
なお、国によると、東京都港区で発生した事故と制御器や駆動装置などが同一のエレベーターは全国に13台あるが、茨城県内は「該当なし」と報告されている。