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新潟県新潟市

容積率緩和制度撤廃へ/景観ガイドライン策定も/高層マンションに歯止め

2006/06/22 新潟建設新聞

 平成19年度からの政令指定都市移行を目指す新潟市は、コンパクトなまちづくりへの転換や都心部における安らぎ空間を確保し、周辺と調和したまちなみを形成するため、景観ガイドラインの策定と容積率の緩和制度の撤廃を行う方針だ。このうち容積率緩和制度の撤廃は県内市町村では初めての適用となり、景観ガイドラインで設定する建物高さ制限(50m以下)とあわせて、今後、信濃川沿いや市中心部で進む高層マンションの建設に歯止めが掛かることが予想される。

 近年の新潟市中心部では、信濃川を軸とした周辺に高層マンションが建ち並び、今後も多くの建設が予想されることもあって、都心部の貴重な安らぎ空間が失われる恐れがある。また、現在、景気浮揚策等を目的とした容積率緩和制度による、周辺のまちなみから突出したマンション計画が進行しており、近隣紛争の多発と住環境やまちなみ、景観への影響が懸念されている。

 新潟市では、政令指定都市移行にあたり、今後の目指すまちの姿として、①これまでの拡大型の都市づくりから、快適で質の高いまとまりのある市街地を形成するコンパクトなまちづくりへの転換②都心部における貴重な安らぎ空間の確保と周辺と調和したまちなみの確保―を予定していることから、景観ガイドラインの策定とあわせて、容積率の緩和制度の撤廃を行う方式を決めた。

 まず、景観ガイドラインについては、新都市景観条例制定までの間、先行的に信濃川沿いの建築物の高さの指針を含めたガイドラインを策定・公表し、指導を行う。

 主な内容としては、信濃川沿いの建物高さを50m以下に設定するほか、建物色彩の目安を設定(マンセル値で彩度6以下)する。また、屋上広告物の個数と高さを、1建物につき1個かつ1内容、建物高さ以下に設定する方針。

 詳細は、今月29日の市都市景観審議会での審議を経て、公表・指導の運びとなる。

 一方、改正建築基準法で定められた容積率緩和制度(都市計画で定めた容積率を最大1・5倍まで緩和できる制度)の撤廃では、新潟市の適用区域の全域を、緩和規定を適用しない区域とする。今月13日に開催された市都市計画審議会で承認されたことから、今後、周知した上で施行する見通し。ただし、市のまちづくり方針と合致し、当該規定の適用が適切と判断できる区域に対する指定区域の見直しを、今後検討する方針だ。


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