那珂郡東海村は、(仮)久慈川河川敷公園整備事業で今年度は、運動広場の実施設計を近く発注する方針だ。運動広場は、ソフトボール場8面、サッカー場2面を整備するもので、区画面積は8・8ha。工事発注については、財政状況をみながら-としており、まだ未定。
同公園は、同村内の久慈川河川敷の榊橋から久慈大橋までの約59haを対象に、スポーツ・レクリェーションに対する住民の関心の高まりなどから計画されたもの。
村では、今年3月までに(財)リバーフロント整備センター(東京都千代田区三番町3-8泉館三番町3F)により基本計画を策定した。それによると、想定される導入施設として①堤防の緩傾斜②高水敷掘削によるワンド等の造成③園路④広場⑤運動施設⑥便益施設等の河川敷利用に必要な施設の整備-などを盛り込んでおり、概算で約12億円の事業費が見込まれる-としている。
なお、基本計画に盛り込まれた整備概要は次の通り。
【水生植物復元地】
区画面積8・1ha
久慈川の自然保全を目的とするため、散策路などの施設整備は行わないが、自然への影響が少ないバードウォッチング用の観察施設程度は設置することは考えられる。
【自然観察路】
区画面積18・5ha(2箇所の合計)
せせらぎを整備することにより多様な生物生息空間を形成する。せせらぎや既存の水路には、木橋を架け、これまで分断されていた河川敷の上下流方向の行き来を可能にする。
【運動広場】
区画面積8・8ha
現在、サッカー場が2面整備されており、さらにソフトボール場8面を確保し、大規模な運動広場として整備する。隣接する堤防の法面の緩傾斜化は、広場へのアクセスを容易にし、観覧席としても利用できる。
また、ソフトボール場のバックネットやサッカーゴールには、洪水時の増水に対応できる転倒式(柱を下流方向に倒せる)ものを設置する。
【多目的広場】
区画面積9・7ha
現況は、ソフトボール場が整備された大規模な平坦地で、高木が点在する芝生広場として整備する。広場内の園路整備や堤防法面の緩傾斜化などにより、堤防上の道と芝生広場、河原の行き来を容易にする。
水辺に広がる河原は、対岸が樹林地であることから景観的にも良好で、キャンプ場としての利用にも適している。
【木漏れ日広場】
区画面積7・0ha
竹瓦橋(潜り橋)の右岸に位置し、樹林が点在する草地の広場として整備する。
【やすらぎと水辺の広場】
区画面積6・9ha
竹瓦橋の左岸に位置し、現況は水際に護岸整備が施されており、橋の近くは一部野原となっている。周辺のセイタカアワダチソウ群落を伐採し、広々とした野原を確保するほか、車道沿いには低木植栽を行う。
【堤防】
延長3・7km(計画地内右岸川)
堤内外の連絡を容易にするため、階段の拡幅や新たな設置、法面の緩傾斜化などを行う。
また日立市側に設定されているサイクリングロードと連携し、計画地の周りを周回できる総延長8・5kmのジョギングサイクリングロードを整備する。
【駐車場】
この計画では、極力自然を保全するという整備方針から、駐車場の規模は必要最小限にするとし、運動広場近くに第1・第2駐車場(152台、4、560㎡)、多目的広場脇に第3駐車場(176台、5、280㎡)、やすらぎと水辺の広場付近に第4駐車場(44台、1、320㎡)、国道6号沿いに第5駐車場(33台、990㎡)をそれぞれ整備する。
【設備計画】
▼堤防の緩傾斜化=1:5程度、延長は運動広場付近が450m、多目的広場付近が370m
▼堤防の階段の整備=既存施設の拡幅2箇所、新設2箇所
▼可搬式トイレ、水飲みの設置=運動広場付近、多目的広場付近
▼木橋の設置=散策路内のせせらぎ横断用3箇所