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国土交通省関東地方整備局(建設)

設計VEプロポ試行で9月にも3件を公告-裁判所職員総合研修所(埼玉県和光市)などが候補

2000/08/04 

 建設省関東地方建設局は設計VEを試行的に取り入れており、12年度はVE付きの業務を3件予定している。内部での調整がつきしだい順次公告手続きに入り、早ければ9月にも公告されるようだ。3件を内部と外部によるVEに振り分けて検討を進める。対象業務は明らかにしていないが、過去の例を見ると、延べ1万㎡級規模で縮減効果とさまざまな提案が見込まれる施設だったことから、裁判所職員総合研修所、国立国語研究所、電気通信所研修所などが候補にあがっている。

 関東地方建設局は、基本設計についてはインハウスを基本とし、新築物件の設計すべてを対象に基本設計後半時点から設計VEを取り入れている。

 また、建設省がまとめた「公共工事コスト縮減対策に関する行動計画」の中でも、「工事の計画・設計等の見直しに関する施策」が重要視されていることから、9年度から試行的にプロポーザル方式による設計委託にあたり、VEを盛り込んで公告も出している。

 設計VE付き設計業務の選定について、担当者は「1万㎡クラスの大型施設でさまざまな提案が出ることが期待され、コスト縮減効果が相当見込まれる」としており、今年度は3件を予定している。

 現在、想定している3件については庁舎内部で合意を急ぎ、早ければ9月から順次公告手続きに入る。

 施設規模と予算額から判断すると今年度は、埼玉県和光市に新築する裁判所職員総合研修所(RC造地下1・地上5階建て、延べ床面積4万20㎡、153億円)、東京都立川市に新築する国立国語研究所(SRC造地下1・地上6階建て、延べ床面積1万4、541㎡、72億円)、東京都国分寺市に新築する電気通信研修所(RC造3階建て、延べ床面積7、851㎡、35億円)が候補にあがっている。

 いずれも公募型プロポーザル方式(発注標準は7、500万円以上)で行う。

 設計VEでは、営繕部長を委員長とする内部VEと外部の有識者で組織する外部VEがあり、今年度分についてはいずれの方式も採用を考えており、意匠、構造、施設配置などすべての項目について検討する。

 関東地方建設局では9年度に国立公衆衛生院(和光市、基本設計時VE、延べ床面積約2万1、000㎡)を、10年度は立川市に建設する自治大学校(延べ床面積約3万㎡)の基本設計時VE、さらには11年度に同施設の実施設計VE(外部組織VE)を行った。

 効果については近く建設省が8つの地方建設局全体での縮減率と縮減額について公表するとしており、関東地方建設局分はその後発表を考えている。



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