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埼玉県企業局

県内4つの浄水場を対象に高度処理事業基本調査を実施。新三郷浄水場を先行予定

2000/08/04 埼玉建設新聞

 県企業局は、より安全で良質な水道水の供給を目指す高度処理事業基本調査業務をきょう、9社で入札に付す。これまで6年間にわたって行ってきた実験結果を基に、県内4つの浄水場を対象に最適な処理方式などをまとめる。初弾の整備は、新三郷浄水場を予定。

 高度浄水処理は、凝集沈殿、塩素注入、砂ろ過によるこれまでの通常処理から、オゾン、粒状活性炭の処理プロセスを加え、安全性の向上を目指すもので、平成6年度から県庄和浄水場内で、実験を行っていた。

 実験内容は、従来の通常処理からオゾン処理や粒状活性炭の処理段階を変えるとともに、活性炭については下向流、上向流と通水法を変更しながらA系からE系まで5つの浄化処理フローで実施、臭気物質除去、トリハロメタン前駆物質除去効果の確認作業を11年度まで行ってきた。

 今回の調査業務はこの実験結果を基に、設備の配置計画、概算事業費、事業手法などを検討し、県営水道の原水水質に最も適した高度処理方式を浄水場別に選定する方針。また、施設整備には膨大な工事費が予想される。このため、水道料金を負担する受水団体の理解を得るための判断材料となる資料作成も作成する。

 調査対象は新三郷(三郷市蓮沼1)、大久保(浦和市宿618)、行田(行田市小針1632)、庄和(庄和町新宿新田100)の4浄水場。

 初弾工として予定されている新三郷浄水場(蓮沼1)は、敷地面積14万3、241㎡。平成8年に第1期、2期工事が完了し、三郷市、吉川市、草加市、鳩ケ谷市、川口市、越谷市などに給水。最大能力は1日36万5、000t。現在の浄化法は、薬品沈殿、急速ろ過、塩素混和、薬品注入などによる。

 高度処理施設を導入している東京・金町浄水場の水道水アンケートでは、市販のミネラルウォーターと遜色ない結果が出ている。



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