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(社)日本建設業団体連合会

『企業評価』への意見出揃う。規模・地域・業種別の評価方法を議論。Y評点評価方法も見直しへ

2000/11/10 本社配信

 企業評価制度や経審制度、各公共発注者が行う主観点数に対する元請ゼネコンなど、建設省による7団体のアンケート回答が、このほど開催された「第2回企業評価等のあり方に関する意見交換会」で出揃った。「企業評価について原点にかえって議論する」として建設省が全国建設業協会など7団体に対し、企業評価のあり方などについてアンケートによる意見を求めていた。企業評価のしくみ、経審のあり方、主観点数や客観点数、Y評点などに対する各団体の意見の相違が見られた。

 建設省が集計、分析した論点整理によると、意見の総括として「現行の企業評価制度は概ね評価できるが一定の見直しが必要ではないか」「経審の改正に伴う影響については賛否両論」「主観点数については透明性やガイドライン作成の必要性を訴える意見が多い」との論点が出された。

 また、制度全般については○規模別・地域別・業種別等の分類により評価方法を変えるべきではないか○経営状況(Y評点)については他の項目と分離して評価すべきではないか○第3者機関による評価を検討するなど虚偽申請の防止や審査体制の強化等を図るべきである○主観点数については統一的なルールを作るとともに、その基準を公表すべきではないか○債務免除や会社更正法によって再建に取り組んでいる企業に対する企業評価のあり方を検討すべきではないか---との5項目にわたる論点が集約、整理された。

 一方、制度の各論では○完工高、技術力のテーブルを細分化すべき○完工高の評価は元請と下請の区別をすべきではないか○職員数・自己資本額は項目から除外してよいのではないか○経営状況分析の流動性の3指標、健全性の3指標は見直すべきではないか○その他の項目(W)見直すべきではないか○経審数値の意義の周知と利用者の利便性の向上を図るべき--といった意見が出された。

 同省では「点数のつけ方、使い方、発注者の考え方などを含め、評価や制度についてレベルアップすることを真剣に考えている」とし、Y評点については、補助的に使い分けたり、例えば大手のみに使用し中小には指標を大幅に減少するなどの使い分けも考えられると話しており、いくつかのパターンの組み合わせを念頭に、抜本改正含め検討しているとしている。

 意見交換会では全建から「早急に一定の結論を出してほしい」との要望も出ているが、同省では、その趣旨を十分踏まえていくとしているものの、「長期的課題や制度のあり方に関わるものばかりなので、議論の中で取り上げるべき真面目な意見もあり議論していきたい」としている。

 さらに、企業評価については、審査基準の統一、審査体制、審査基準の作成など深い課題もあるとしている。

 次回会合では、制度全般の規模別・地域別・業種別等の分類による評価方法と経営状況(Y評点)の評価方法について具体的な意見を聴く。各論についての議論は次回以降の予定。



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