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政令市のランドマークに/来年7月の着工めざす/新潟駅南口第二地区市街地再開発事業

2006/11/23 新潟建設新聞

 政令指定都市・新潟の新しいランドマークを目指して―。新潟駅南口第二地区市街地再開発組合(岡田耕衛理事長、新潟市天神1-6-5)は、第一種市街地再開発事業として行う事業計画を発表した。同事業では、およそ113億円を投じて30階建ての複合ビルを中心とした3棟の施設や新潟駅との連絡通路、ペデストリアンデッキ、道路等を整備する計画。現在、新潟県で事業計画認可に向けた審査を進めており、早ければ今月中にも計画認可に向けた縦覧手続き等に入る予定。その後、意見書提出期間等を経て、年内にも県知事認可が下りる見通しだ。以降、権利変換計画認可や実施設計を進めた上で、平成19年7月の着工、平成22年1月の竣工を目指す。昭和55年の準備組合設立以来、実に26年の歳月を経て、「日本一長い再開発事業」が、いよいよ形となる。

【準備組合から26年】

 同地区の再開発では、昭和55年に新潟駅南口第二地区再開発準備組合を設立。昭和63年に大型商業施設の導入を図る計画で都市計画決定を受けたものの、平成3年にキーテナントが出店辞退を申し出た。

 その後、平成11年から、当初の大型商業施設に変わる、本格的な複合施設による施設計画の見直し検討を開始。平成14年8月には、都心居住を軸とする施設計画での事業化を目指して都市計画決定を変更。平成15年3月には新潟県知事認可を受け、正式な組合設立に至った。

 今年4月には、特定業務代行者となる日生不動産・清水建設の共同企業体と契約を締結した。

 再開発事業の施行区域は新潟市天神1-5-1ほかで、対象面積は約1・1ha(現況は駐車場など)。再開発に係るコンサルタント業務は、石本建築事務所(東京都千代田区九段南)が担当。

【120mの高層タワー】

 対象地区は、新潟市の陸の玄関口である新潟駅の南口に位置し、広域交通拠点周辺地区としての立地条件を活かし、都心にふさわしい土地利用・高度利用を図る地区に位置付けられている。

 計画施設建築物は3棟で、歩行者動線に沿って配置される商業施設と、その上階の業務施設、および利便性の高い高層住宅等で構成するA棟、商業施設を積層するB棟、自走式の立体駐車場と商業施設、スポーツ施設が積層したC棟を建設。共用部分等を含めた総延べ床面積は約6万600㎡。

 全て2階レベルで連結し、各棟それぞれが複合施設として、親しみと賑わいに溢れ、魅力のある定住・就業・交流空間としての市街地を目指す。

 A棟は、高強度RC造の地下2階地上30階建てで延べ約3万6700㎡の規模。237戸の共同住宅(5階~30階までの26層)と共同住宅用の駐車場(136台)、商業施設、業務施設等で構成。このうち共同住宅部分は、住友不動産と日生不動産がデベロッパーとなる。建物高さは地上約120mで、朱鷺メッセ、NEXT21に次いで、市内では3番目の高さとなり、シンボル性のある建物とする計画だ。

 B棟は、S造地下1階地上7階建てで延べ約4200㎡の規模とし、商業施設が入居する見通し。

 C棟は、S造地下1階地上11階建てで延べ約1万9300㎡。上層部(3層)にスポーツ施設を配置し、その他の下層部には商業施設や、自走式の駐車場(8層、378台分)を整備する。

【快適・安全な都市環境】

 同地区の再開発では、新潟駅直近の立地を活かした高度な商業業務を集積し、低未利用地の土地の有効活用を図る。

 細分化されている敷地を統合、市道は集約化するほか、建物の共同化を進めることで、都市の防災性の向上を図り、安全で機能的な都市環境の創出を目指す。

 また、新潟駅西側連絡通路と2階レベルで接続する連絡ブリッジやペデストリアンデッキを整備することで快適な歩行者空間を創出し、回遊性を高める。

 注目は1階部分に整備する円形のイベント広場で、2階のペデストリアンデッキ部分は吹き抜けになる。新潟市が整備する新潟駅南口広場と合わせ、新たな賑わい拠点としての期待が掛かる。

【長く繁栄するビルを】

 再開発組合の岡田耕衛理事長は、事業の実現に向け幾多の困難を克服してきた。素人であるが故に苦労したことも多かったという。

 今回、事業認可申請に漕ぎ着けたことに対し、「苦しいことがあっても皆さんに温かく見守ってもらい、応援をいただいた。日本一長く掛かったと言われるが、本当に大勢の方々の協力でここまで来ることができた」と率直な感想を語った。

 計画当初から、様々な構想が浮上しては消えてきたが、最終的には都心居住を軸とした賑わいのある商業、業務、スポーツ施設が入居する複合ビルを建設する計画が決まった。岡田理事長は共同住宅部分について「新潟県では最高の立地条件。日本海の夕日、越後山脈の夕日も見える。新潟駅に直結するので通勤にも便利が良い」と自信を見せる。

 また、「入居した人も、訪れた人も良かったと思えるビルにしたい。ただ造ればいいというのではなく、地域の人々に貢献し、長く繁栄するようなビルを目指している」と意欲を語る。

 準備組合設立から26年半。建設工事に約2年半を要するため、事業が完成すると30年が経過することになる。

 岡田理事長は「結果的にはタイミング良く新潟市の政令指定都市移行と重なった。新しい新潟市や地権者のためにも、副都心として政令指定都市の『顔』になって欲しい」と期待を寄せた。

 来年4月からの政令指定都市移行が決まった新潟市にとって、新潟駅周辺地区の整備が今後の拠点性向上とさらなる発展のポイントとなる。

 新潟駅の連続立体交差事業は、7月末に正式に事業認可された。そのため、駅前広場整備や幹線道路整備を含めた新潟駅の周辺整備が、今後、本格的に始動する。

 また、新潟空港へのアクセス改善や、羽越本線の高速化による山形県や秋田県との交流人口の増加に向けた検討が始まるなど、新潟駅を起点とした高速交通体系を取り巻く環境が変化しつつある。その中にあって、新潟の新しいランドマークとなり、全国的にも注目される新潟駅南口第二地区の再開発事業に対する期待は大きく、順調な完成と、今後の長い繁栄が望まれる。


【イメージ(上)30階、120mの高層タワーを計画】

【写真(下)新潟駅南口付近の完成予想模型】

新潟駅南口第二地区 パース000307.jpg 新潟駅南口第二地区 模型000308.jpg

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