川越市は、西清掃センターの老朽化に伴い、新清掃センター建設を計画している。このほど同センター建設に伴う生活環境影響調査等に対する提言書をまとめ、日量300tを上限とする施設規模を提示した。今後、同提言をもとに13年度10月をメドに整備計画を策定、14年度で着工、17年度の稼動を目指し作業を進めていく。付帯施設は、リサイクルプラザや余熱利用施設などを予定。このほか施設では、売電事業のプランも検討されており今後の動きが注目される。
新清掃センター建設計画は、昭和53年に竣工した西清掃センターの老朽化などにより浮上。平成7年12月に鯨井地内の10・5haが都市計画決定された。これまでに周辺道路や水路のほか、第1調節池4万8、000t、第2調節池8、000tを整備。13年度は、周辺整備を進めるとともに第3調節池6、000tに着手する予定でいる。
建設にあたっては、(仮称)同センター建設に伴う生活環境影響調査等検討委員会を11年7月に発足。柏木孝夫東京農工大学教授を会長に18名で構成され、三井造船(千葉県市原市)などのプラントや西多摩衛生環境センター(東京都羽村市)などへの視察のほか15回の会議を重ねてきた。
同委員会がまとめた提言による施設規模は、日量300tを上限に設定。今後、同提言をもとに庁内で構成される検討委員会を通じ処理方式や施設規模など整備計画を13年10月をメドにまとめる。整備スケジュールについては、14年度に着工、17年度の稼動開始が予定されている。
このほか付帯施設には、リサイクルプラザ、余熱利用施設を計画。リサイクルプラザの施設規模などは未定だが、こちらも13年度に詳細を煮詰めていく。余熱利用施設については、温水プールや野球場などスポーツ施設、老人福祉会館や総合福祉センターなどの福祉施設に加え熱帯植物園などの公園施設といった要望が地元から挙げられている。これを受け、余熱利用検討委員会を開催し意見調整を図りながら、余熱利用施設全体の整備計画を策定していく方針。また発電設備を設置、売電事業を行う意見もあり今後の動きが注目される。
なお、西清掃センターは、新清掃センターの完成を待って解体する予定で跡地利用については未定となっている。
既存清掃センターの概要は次のとおり。(▽施設名=①竣工②敷地面積③建物面積④炉形式⑤処理能力⑥焼却炉の種類⑦ごみピット容量)
▽東清掃センター(芳野台2-8-18)=①昭和61年11月②6、684㎡③工場棟1、626㎡、管理棟379㎡④タクマHL-0806型⑤70t×24H×2炉⑥全連続燃焼式焼却炉⑦1、400立方m
▽西清掃センター(笠幡3299-1)=①昭和53年9月②2万3、000㎡③5、609㎡④タクマSCR-1821型⑤150t×24H×2炉⑥全連続焼却式焼却炉⑦3、100立方m