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初代副大臣・高橋一郎総括政務次官-4省庁統合の効果発揮を。公共事業は国民の将来利益に直結

2000/12/19 本社配信

 省庁再編で誕生する国土交通省の副大臣に就任する予定の建設省の高橋一郎総括政務次官は15日、専門紙記者会と会見し、就任抱負を交えて当面する諸課題について所見を明らかにした。

 21世を目前にして非常に大事な時期とした上で、同次官は「国土交通省は、国予算の8割りを受け持ち、人員的にも大きな役所であり、税金をムダ使いしないように、また地震等の災害も多いので気を引き締めて対応していきたい」と就任の抱負を語った。

 また、地方整備局による円滑な事業展開については「多様な住民ニーズに加えて、NPOなどの存在もあり、難しい事態も起きるだろうが、いわば地方自治の大事な部門として、一刻も早く業務を軌道に乗せるための努力が必要」という方針を示した。

 さらに、不要論などにより公共事業に対する批判が強い現在の社会風潮に対しては「国民生活になくてはならないもの」とし、都市再開発や下水道などが、福祉予算のバラマキ施策の優先で、後回しにされた結果、現在のように家などが錯綜し、物価高の中で取り組まざるを得なくなっていると指摘、自ら都議会議員として係わった美濃部都政時代の体験を踏まえた公共事業有用論を強調。「為政者には先見性が必要であり、それがなければ、いずれ国民が苦労することになる」との見方を示すとともに、逆に国家が取り組む事業として遂行していけば「将来、子供や孫たちがかならず利益を受けることになる」との見解をにじませた。

 一方、運輸・交通行政についても車の排気ガス規制など公害問題との取り組む姿勢を示し、自らの意志として、また国土交通省の初代副大臣として「4省庁が一つになったという行政改革の効果をこの省で発揮し、成功の評価を得なければならない」ことを強調した。

 この交通行政との取り組みに関連して、同日の都議会でディーゼル車規制条例が可決されたことについては、「物流を担っているトラック業界も決して裕福ではなく、排気ガスを規制する装置が高価という状況があり、行政側がそれをどう指導していくのか。規制だけでは、この公害問題を解消するのは難しい」との考えを表明した。

 さらに、住宅・不動産行政との取り組みについては「将来を見越した行政計画と世論の動向を見据えたキメ細かい対応が必要」と述べ、例えば都市地域の温暖化抑制に向けた「地域冷暖房」システムの導入なども必要という具体認識を表明した。



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