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(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構

常磐新線各駅の駅舎基本設計に着手

2001/02/01 

 平成17年度の開業に向け建設工事が進んでいる常磐新線は、県内に建設する八潮駅(仮称)、三郷中央駅(仮称)について4月にも駅舎基本設計に着手する。現在は首都圏新都市鉄道(株)、日本鉄道建設公団、八潮市、三郷市がそれぞれ作業を進めており、地元八潮市と三郷市は地域特性を生かした個性ある駅舎デザインを目指し、要望をまとめる。そのほか、新線整備では、日本鉄道建設公団関東支社が中川橋梁上部工の公募型指名競争入札を今日(1月31日)公示。同様工事の江戸川橋梁も近く公示する。

 4月ごろに委託する駅舎基本設計は、発注機関や委託方法など不確定要素も多く、今後検討を重ねる必要性が残されている。主な設計内容はエレベータ-やエスカレーターの配置など、平面でのプランニングをする方針。

 全体のスケジュールは、14年度に実施設計作業に移行し、寸法設計、仕上げ材の選定、再積算などまとめる。工事は15年度に発注。工期は2か年にまたがり、16年度中の完成が見込まれている。

 これまで2駅の概略設計は10年度に日本鉄道建設公団から、八潮駅をマエダに、三郷中央駅を千代田コンサルタント(千代田区)にそれぞれ委託し、まとめた経緯がある。

 現在は基本設計に向け、八潮市が新駅周辺公共施設整備検討をアールトゥ計画事務所(渋谷区)に委託し進めている。業務内容は、駅舎デザイン検討やイメージ図の作成。さらに高架下に整備する施設検討に関しても進めている。市では、駅へのアクセス道路となる都市計画道路駅前通り南口線と同北口線(ともに幅員30m)がホーム下の自由通路と正面に向き合っていることから、自由通路に特徴的なデザインのアイストップを配置したいとしている。

 また、昨年10月に開催した市民まつりで、都市基盤整備公団が作成したイメージ図を提示しアンケート調査を行った。市民からは、バリアフリー化や明るく楽しいイメージ、また、一時預かりができる託児所の設置など多くの要望が寄せられた。

 検討業務では、これらのアンケート結果も踏まえ、整備スケジュールや必要施設をまとめる。報告書は首都圏新都市鉄道(株)から駅舎の標準仕様を提示された段階で、市の意見として提出し、基本設計に反映する。

 三郷市では、関係部局で駅舎に関する検討会議を開催。結果は議会で常磐新線特別委員会に報告している。市では、13年度から着手する基本設計がまとまった段階で、市の要望を提出していく方針。

 両駅ともホーム延長は約125mで6両編成に対応。線路位置は地上8m。将来、乗客が増加した場合8両編成とし、ホーム延長を約160mに延長する可能性もある。

 八潮駅は、ホーム2か所、線路4本の2面4線構造。駅舎幅は約32m。エスカレーター4基、エレベーター2基、改札口1か所を設置。駅位置は大瀬付近。

 三郷中央駅は、ホームを両側に配置した2面2線構造になる。駅舎幅員は約21m。エレベーター2基、エスカレーター4基、改札口1か所を計画。駅位置は谷中地内。

 一方、常磐新線整備は、明日2月1日から、中川橋梁の上部工の公募型指名競争入札の参加受付を開始。受付期間は2月6日まで。同橋梁上部工は、3径間連続複線下路トラス桁で延長266m、幅員約11m。

 この他大型工事には江戸川のトラス橋梁があり、橋長は418m、幅員11m規模。現在調整を進めており、近く公示するもよう。高架橋整備区間は、八潮市垳地内~三郷市と流山市境の江戸川まで、約6km。工事発注は、アーチスラブ式RCラーメン高架橋の発注が終了しており、残るは、同区間内でのPC桁部分。整備進捗率は約30%。日本鉄道建設公団から、江戸川橋梁、八潮市内のPC桁、同三郷市内分に分割し年度内に発注する予定。

 常磐新線は、都内秋葉原を起点、茨城県つくば市を終点とする総延長58・3kmを約45分で結ぶ都市高速鉄道新線。建設費総額約1兆500億円を投入し、平成17年度に開業する予定。県内の2駅を含め、全20駅を設置する。



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