川口市(岡村幸四郎市長)は22日、13年度当初予算案と主要事業概要を公表した。一般会計は1、436億6、000万円で、初の1、400億円台を突破、対前年度比も8%増と大幅な伸び率を示している。14の特別会計、2企業会計を含めた総額は、2、936億2、960万円で、3、000億円の大台手前まで引き上げ、前年度比も5%の増額となった。
主要事業は、16年度開催の「彩の国まごころ国体」に向けた青木町公園総合運動場野球場の施設改築工事に14億4、000万円の2か年継続費を計上したほか、戸塚南、同北保育所が総額6億6、558万6、000円を設定して同時着工する。土木事業では、戸塚南小学校新設事業の敷地造成工事費で3億8、100万円の継続費(14年度まで)を盛り込み、荒川町ポンプ場築造工事には機械・電気設備工事費として31億円の継続費を充てた。さらに、下水道事業では、横曽根第6排水区の雨水管布設工事費に7億5、000万円を計上するなど、豊富な事業量を確保している。一方、調査・委託関連では、戸塚北小学校教室棟の増築設計に1、300万円、永年の懸案事項となっていた総合教育センター整備に向けた基本構想策定業務に250万円を設定した。普通建設事業費は288億3、720万6、000円で、対前年度比38%の大幅な伸びを見せた。
一般会計を1、400億円台に押し上げたのは、継続事業で整備中の仮称・朝日環境センター建設事業、青木町公園総合運動場プール改築、舟戸幼稚園、同小学校、南中学校の改築事業などがピークを迎えているのが大きい。それでも、款別歳入を見ると、歳入の主となる市税はわずか1・1%増。自主財源による伸びは見込めず、92億8、940万円、対前年度比を73・3%増とした市債に頼ざるを得ない状況。
また、収益事業収入も競艇事業3億7、500万円、競輪事業収入100万円、小型自動車競走事業15億円でいずれも減額、総額3億3、400万円の減収も響いている。
歳出款別では、衛生費が220億9、501万4、000円で対前年度比42・4%増。次いで、教育費239億2、183万2、000円で同16・2%増となっている。土木費に関しては235億3、549万9、000円で同8・1%減と落ち込んだ。
主要事業概要は次のとおり。
【青木町公園総合運動場野球場改築】
西青木4-8-1の既存野球場を改築し、16年度の国体会場とする。事業内容は、管理棟、ブルペン、スタンドベンチ、外野フェンス、外野スタンド外柵、照明塔、人口芝張り替え、電工スコアボード設置など。両翼95m、ホーム、センター間は118m。内野観客席は約5、000人。グラウンド面積1万2、870㎡。工事は建築、電気、機械設備の3分離が見込まれ、同公園プール改築同様、一般入札での発注となりそう。9月議会案件。設計はレーモンド設計事務所(渋谷区)。事業費は14億4、000万円で14年度までの2か年継続費を設定
【戸塚北保育所建設】
建設地は、鉄建公団の地下鉄7号線建設事務所となっていた浦和市境の東川口4-22-9地内。市土地開発公社用地で敷地面積は875㎡。
施設計画規模は、RC造2階建て、延べ床面積は約500㎡。定員は70人。13年度当初に設計業務を委託し、下半期に工事発注。14年4月の開所を目指す。事業費は実施設計費578万8、000円、工事費は1億8、000万円
【戸塚南保育所建設】
戸塚地区の保育所待機児童の解消を図るため、西立野25-2ほか地内に建設。規模は軽量S造平屋建て、床面積は694㎡。定員は90人で、延長保育、ゼロ歳児保育を行う。12年6月定例議会で4億6、160万円の継続費(13年度まで)を計上。工事は年度内にも発注の予定。建設地に埋蔵文化財が出土したため、発掘調査を実施中。このため、当初予定していた8月開所はずれ込みそう
【戸塚南小学校新設】
地下鉄7号線の開通、基盤整備による児童数増加が予想される戸塚地区で、戸塚小学校分離新設校として整備する。13年度は地質調査委託、造成工事の修正設計と、3億8、100万円の2か年継続事業で造成工事に着手。面積は1万1、293㎡。総事業費は用地購入合わせて29億4、023万8、000円。造成設計はピーシー技研(豊島区)。社団法人・文教施設協会(中央区)がまとめた基本計画によると、校舎規模はRC造3階建て、延べ床面積1万2、000㎡。校舎は雨水貯水槽を設置し、普通教室24クラス、25mプールと体育館を別途建設。計画では14年度実施設計、15、16年度の2か年で着工、17年度の完成を目指す
【公共下水道築造事業】
横曽根第6排水区雨水管布設工事。管径2、000mm-1、100mmのヒューム管を一括施工。工法は推進で、マンホールは7-8か所。一般競争入札も視野に入れ、9月議会の承認を経ての着工を目指す。設計は国際水道コンサルタント(大田区)
【戸塚北小学校教室棟増築】
戸塚地区の児童増を見込み、普通教室棟を増築する。計画規模はRC造2階建て、延べ床面積1、400㎡。普通教室6クラスを予定。建設場所は校庭北側で、渡り廊下で本校舎と繋ぐ。6月ごろ設計委託。場所は東川口3-12-1。委託費は1、300万円
【総合教育センター】
教育局永年の懸案事項がいよいよ動き出す。施設計画は教職員の資質向上を目的とした研修機能ほか、ギャラリー、生涯学習センター機能も内包する。建設地は数箇所の候補地から選定中。用地取得希望面積は約5、000㎡、延べ床面積は約3、000㎡を見込む。13年度は構想委託とともに、検討委員会発足ほか、県内外の施設視察を行う。委託費は250万円を計上