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新潟県上越市

上越都市計画市街化区域及び市街化調整区域の整備、基本理念などを公表

2001/03/05 新潟建設新聞

1都市計画の目標

1)都市づくりの基本理念

 上越都市計画区域は、上越地方の中核都市上越市を中心に大潟町及び頸城村から構成されている。

 本都市計画区域は北国街道と北陸道を結ぶ交通の要衡として、城下町・港町として古くから栄えて来た。近年、北陸自動車道の4車線化完成及び関越自動車道上越線(以下「上信越自動車道」という。)の全線開通、国道18号上新バイパス(以下「上新バイパス」という。)の整備拡充、さらにはほくほく線の開業、北陸新幹線の工事着手等による高速交通体系の確立、また、新潟県南部工業団地、重要港湾直江津港及び火力発電所の整備等大規模プロジェクトの進捗にともない、高次都市機能が集積しつつあることから、長野、富山両県との連携や県土の均衡ある発展に向け、広域的な役割を担う拠点地域にふさわしい都市整備を推進する。

 そのため、農林漁業や自然環境と調和のとれた土地利用計画を策定し、都市施設の整備や歴史的風土の保全に努めながら、地域の特性をいかしたまちづくりをそれぞれの創意工夫のもとに進め、災害に強く、質の高い居住環境整備を推進し、「職・住・遊・学」の機能の調和のとれた、自立的に成長する拠点都市地域の形成を基本理念とする。

2)都市計画区域の範囲及び規模

 本都市計画区域の範囲は、上越市、頸城村の1部及び大潟町の全部を含み、その規模は次のとおりである。

2土地利用の方針

1)主要用途の配置の方針

①業務地(官公庁施設)

 上越市役所の設置されている木田地区、新たに業務拠点地区として整備する藤野新田地区に業務機能を集積する。

②商業地

 デパート、銀行、専門店、小売飲食店等が集中立地し、近隣市町村を含めた広域商圏の中心商業地となつているJR高田駅より東側の本町通り、仲町通り及びJR直江津駅より北側の中央町通り、西本町通りさらに稲田橋東側に位置する稲田通りに商業地を配置する。

 また、土地区画整理事業を進めている直江津駅南地区並びに土地区画整理事業が実施された春日山地区、大学前地区、下門前・富岡地区及び大規模開発により整備された富岡地区に商業地を配置する。

③工業地

 直江津港の背後周辺を臨海工業地として、土底浜地区、下5貫野地区、黒井地区及び西福島地区に工業地を配置する。

 また新たに新潟県南部工業団地、上5貫野地区及び和田企業団地の東側に工業地を配置する。

④流通業務地

 国道8号、18号沿道及び北陸自動車道上越IC周辺に既に流通業務団地が配置されているが、広域交通網の整備や港湾機能強化にともない、上越ICに隣接する3田新田地区及び上信越自動車道上越高田ICに隣接する上中田地区で流通業務団地の整備を推進し、上越都市圏の広域流通機能の強化を図る。

⑤住宅地

 既成市街地である高田公園周辺、上越市西部、5智公園周辺、大潟町・頸城村の既成市街地に低層で良好な住宅地を配置する。

 更に、将来の人口増加に対応するため、新たに上越市土橋地区・大貫地区、関川東岸地区(源入地区、樋場地区)、頸城村の松本地区に住宅地を配置する。

4)市街化調整区域の土地利用の方針

①優良な農地として保全すべき区域

 上越市の国道253号、北陸自動車道及び上新バイパスに囲まれた地域は、関川水系が創出した肥沃な平野であり、各種の農業投資も過去に行われた集団的優良農地であり、その保全に努めるものとする。

 又、大潟町、頸城村については北陸自動車道の南東部に集団的優良農地が連担しており、将来にわたりその保全に努めるとともに、積極的な農業投資により農業生産の環境保全に努める。

②災害防止上保全すべき区域

 一級河川関川水系の平成7年災害復旧事業の概成により、湛水危険区域は減少しており、また本都市計画区域の海岸線に続く保安林地域は、市街地を風と飛砂から守るためその保全に努める。

③自然環境形成上保全すべき区域

 上越市西部1帯を南北に連なる山地丘陵部は豊かな自然に恵まれ、金谷山公園や春日山神杜を含んで久比岐県立自然公園に指定されており、市民の憩いの場として、また保水能力のすぐれた土地として自然環境及び自然景観の保全に努める。大潟町南側の5つの池沼と周辺松林を含め、水源かん養地として保全する。

④計画的な市街地整備の見通しがある区域

 上越市大貫、上中田、大潟町雁子浜及び潟町については計画的な市街地整備の見通しが、また脇野田地区については、北陸新幹線新駅周辺整備の見通しが明らかになつた時点において市街化区域への編入を行う。

⑤地域活力再生を図るべき地域

 人口減少により、集落の維持が困難となつている地域では、農業等の既存の土地利用の実態及び計画を優先しつつ、活性化を目的とした新たな住宅地整備等への計画的な対応をすすめることとする。

3市街地の開発及び再開発の方針

1)基本方針

 良好な都市環境の創出のため、都市施設の整備を進めるとともに、市街地内の未整備地区については積極的に土地区画整理事業等を推進し、その整序に努める。また、新市街地については、道路、公園、下水道等の基盤整備を促進し、快適な都市環境を確保する。

 既成市街地内の商業地域については、市街地再開発事業及び土地区画整理事業により商業基盤の整備に努める。

2)市街化進行地域及び新市街地の整備方針

①市街化進行地域

 未利用地について土地区画整理事業、地区計画制度等を推進し、合せて都市施設の整備を進め、良好な宅地化を促進し、住環境のよい街づくりに努める。

②新市街地

 土地区画整理事業及び地区計画制度の活用を図り、又、土地開発公社等により、計画的に良好な宅地化を推進しながら住環境のよい街づくりに努める。

3)既成市街地の再開発の方針

①高度利用に関する方針

 高田駅及び直江津駅周辺については、土地区画整理事業等により高度利用を図る。

②用途転換及び用途純化に関する方針

 住宅地に混在している工場、事業所について新たに計画的に整備する工業地への移転を誘導し、将来的に用途の純化を図る。

③既存の工業地における公害防止に関する方針

 既存工業地において、公害等の問題はでていないが、今後とも用途の純化を図り、公害防止に努めるものとする。

4交通体系の整備の方針

1)基本方針

 本都市計画区域は北陸自動車道の4車線化完成や上信越自動車道の開通、上越魚沼地域振興快速道路の整備区間指定に加え、鉄道では北越北線、北陸新幹線等の計画・整備により、高速交通網が充実し、目本海側における3大都市圏(首都圏、中京圏、関西圏)との結節点としての役割を担うものとして期待される。

 上越都市圏の将来交通需要はH6年に対して、H17年、H27年の伸びはそれぞれ1・33倍、1・46倍と推定され、今後の増大する広域交通と都市内交通を適切に処理するため、上位計画との整合、土地利用との整合、道路機能の明確化を基本として広域幹線道路、環状的な都市内道路の整備を図るとともに、海上交通を含めた総合的かつ効率的な施設の整備に努める。

 このため本都市計画区域の交通体系は、次のような基本方針のもとに整備を図る。

①都市圏整備の方向に合致した機能別交通ネットワークの構築

②住宅、業務、観光等の開発計画を誘導する基盤としての交通体系の整備

③駅、港、高速IC等の交通結節点の連携強化に資する交通体系の整備

④都市圏全体の機能別ネットワークをいかした都市内道路網体系の整備

⑤将来交通需要に対応できる交通容量の確保

⑥雪に強く、安全性、快適性の向上に資する交通基盤の形成

2)整備水準の目標

 道路については、上越都市圏将来道路網の基本計画に基づき、効率的な道路整備を推進していくため、優先整備路線・区間の検討及び評価を行い、将来道路網整備計画を策定して整備を進める。

3)根幹的交通施設等の整備方針

①道路

イ国土開発幹線自動車道

 北陸自動車道は、平成12年に全線4車線化整備が完成し、関西、中京の経済圏に直結された。

 上信越自動車道は、中郷ICから上越JCTの間について、平成11年に暫定2車線で供用開始し、今後は4車線化の整備促進に努める。

ロ地域高規格道路

 上越魚沼地域振興快速道路は、上越地域と魚沼地域の交流を促進するとともに、北陸自動車道、関越自動車道とあわせて信頼性の高い循環型広域ネットワークを形成する道路として整備に努める。

ハ東西幹線

【国道8号(直江津バイパス)】

 上新バイパスと連絡し、柿崎、糸魚川方面を結ぶ主要幹線道路である。

 直江津市街地の環状道路でもあり、内外交通の導入分散処理を円滑に行う道路として今後も4車線化の整備に努める。

【国道253号】

 魚沼生活圏の中心都市十日町市及び六日町と結接し、周辺市町村を連絡する主要な道路として整備に努める。【国道405号】

 東部周辺市町村を結ぶ主要な道路として整備に努める。

ニ南北幹線

【国道18号(上新バイパス)】

 直江津、高田、新井の相互関連交通を円滑に分散導入する機能と広域な交通の処理をし、高田市街地からの通過交通の排除をする役割を果たす道路として4車線化の整備に努める。

ホ環状線

 中田原下箱井線、飯門田新田線、中屋敷藤野新田線、黒井藤野新田線は放射状道路と有機的にネットワークを形成し、都市内交通の処理を行う道路として整備に努める。

②鉄道

 北陸新幹線の整備促進を図るとともに、その新駅周辺に整備される新たな都市機能と中心市街地、直江津港との機能連携を図るため、公共交通の輸送力、利便性の向上に努める。

 通勤通学人口の増加及び通勤通学圏の広域化により利用客数の増加が予想されるのでバス鉄道等公共交通機関との交通結節点の整備に努める。

③港湾

 重要港湾直江津港は新潟港と伏木富山港の両特定重要港湾の中間に位置し、上越地域、信越地域を背後圏とした陸上交通と海上交通の要であると同時に、佐渡航路の基地として発展してきた港湾である。

 近年は背後の道路交通体系の整備に呼応した北海道、9州とのフェリー航路や外貿コンテナ航路の中国、韓国航路の開設などにより、上越地域、信越地域の物流拠点としての役割が1層強化されたところである。また、石油配給基地や火力発電所の立地計画を通じてこの地域のエネルギー基地としても大きな役割を果たすことが見込まれる。

 このため、これらの需要の増大に対応した港湾施設の整備拡充に努める。

④駐車場

 駐車場整備に関する調査を実施したうえで、必要に応じて駐車場の整備を図る。

4)重点的に整備すべき根幹的交通施設の整備方針

 根幹的交通施設としておおむね5年以内に実施することを予定する主要な事業は、次のとおりとする。

①道路

 国道8号、国道18号の交通需要の増大に対して、直江津バイパス、上新バイパスの4車線化の整備を図る。

 放射道路と有機的に連絡する環状道路として、中田原下箱井線、中屋敷藤野新田線等の整備に努める。

 市街地の求心性を回復するため、直江津地区については直江津駅前通り線の駅前広場(北側)の整備を促進する。

②港湾

 公共ふ頭、工業用地造成、防波堤、航路泊地、小型船だまり、臨港交通施設、荷役機械、港湾環境整備施設の整備に努める。

5自然的環境の保全及び公共空地系統の整備方針

1)基本方針

 本区域は上越地方の中央に位置し、西部は丘陵、山地となり、久比岐県立自然公園を経て妙高連山に連なっ

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