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茨城県道路建設課

仮称・上曽トンネル建設、県は13年度に前後の取付道に着工

2001/03/22 日本工業経済新聞(茨城版)

 筑波山系に計画されている県道・石岡~下館線「仮称・上曽トンネル」(延長約3・4km)の整備で、県は平成13年度の国庫補助事業採択を見込み、前後の取付道路の改良工事に着手する予定だ。順調に運べば14年度にトンネル本体工を発注、工事は真壁、八郷の両側から進める工程をとり、早期開通をめざす。

 上曽トンネルが建設される新ルートは、新治郡八郷町新田から真壁郡真壁町山尾までの約6・1kmで、総事業費は約120億円。このうちトンネル区間は約3・4kmで約100億円。取付道路は真壁町側が約1・0km、八郷町側約1・7kmで計画されている。

 交通量の予測では、現在の1日当たりの交通量の2・5倍強となる約7、600台を見込み、標準幅員6・5m/17~13m(トンネル部車道幅員6・5m)、3種2級(設計速度60km/h)の規格を予定。

 水郷筑波国定公園内の上曽峠区間の現道は、筑波山塊を山越えする道路であるため、曲線半径が小さく、急勾配で大型車のスレ違いも困難な状況だ。トンネルが抜ければ、常磐道や国道6号への最短ルートとして機能することになり、その波及効果も、真壁の石材業の原石材搬入ルートの短縮など多方面にわたるとみられている。

 これまで沿線関係9市町村で構成する主要地方道石岡下館線整備促進期成同盟会(会長=平間小四郎真壁町長)等がトンネル建設の早期実現を要望するなど強力な働きかけを実施してきた。橋本昌知事も以前「用地買収が順調に進めば財政的には非常に厳しい状況だが、国補事業と有料道路事業を活用し、13年度にも工事に着手したい」との方針を明らかにしていた。

 設計は日本工営(株)(東京都)。完成すれば常磐自動車道の日立トンネル(約2・4km)を抜き県内最長となる。



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