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奥野晴彦・関東地方整備局長インタビュー。環状道路と八ツ場ダムの事業推進を強調

2001/04/09 本社配信

 建設省関東地方建設局と運輸省第2港湾建設局が統合された、国土交通省関東地方整備局は河川、道路、公園、営繕、港湾、空港といった地域の発展のための不可欠な社会資本整備を総合的に推進し、魅力ある地域づくりを行っている一方、各種直轄事業の実施や公共施設管理に加えて、建設業の許可・監督関係、都市計画関係、さらには、地方公共団体に対する補助金交付関係などの業務も担当する、文字通りの地域ブロックの中核行政を担う。この舵取りを行う奥野晴彦・関東地方整備局長に、13年度を迎え、改めて地方整備局の課題などを伺った。併せて、幹部による管内事業を紹介する。

 奥野局長は、関東地方整備局が発足して3か月を経過して、「統合によってより総合的視点からまちづくりができるのではないか」との期待の高さを感じていると述べるとともに、公共団体の中には二重行政になってしまうのではないかとの懸念があるのに対し、「二重行政にしてはならない」ことを強調。また同局の使命・役割については、広域的なもの、身の回りのものの双方から基盤整備という行政手法を有効に活用してよりよい地域づくりを進めていくと語り、「統合して良かったと言ってもらえる成果を早く国民にお示ししたい」と強調した。

 また関東地域の将来ビジョンづくりについては、年内にビジョンを取りまとめると述べた。さらに、重点課題については、統合のメリットを生かす連携事業に加えて、遅れている環状道路の整備と八ツ場ダムの事業の推進を挙げた。

 入札における指名業者の事前公表については、関東地方整備局としては、指名通知後速やかに公表するという従前通りの対応を行う考えを言明した。

1問1答は以下のとおり。

 --就任して早くも3か月が経過しました。感想はいかがですか

 奥野局長 旧建設省が進めていた公共事業に港湾空港部の事業が加わり、これから同じ組織でやっていくので、仕事の範囲は大きく広がった。地方公共団体や国民の暮らしに関連する分野が広がり期待感が高まっていると思う。この2、3か月間にいろいろな人と会って、それを痛感した。

 --例えば、どのような期待感だったのでしょうか

 奥野局長 直轄事業以外に、補助事業やまちづくりといった身近なものに対しても、お手伝い、担当することになる。これまで以上に総合的な視点から地域づくりを支援してもらえるのではないかという期待感である。

 --公共団体からは二重行政になるのではないかとの心配もささやかれているようですが

 奥野局長 補助事業の分担は、予算配分について本省分は大規模なもの、全国的にまたがるもの、特殊な事業を機動的に行うことになっている。それ以外は地方整備局で配分するが、都県の意見、方針を十分聞いた(ヒアリング)うえで、国土交通省としてどうするのかを考え、生かしていきたい。公共団体の中には二重行政になってしまうのではないかという懸念を示すところも事実あったが大宮と霞が関の両方に行くことのないようにする。期待に応えられるよう、迷惑をかけないように念じて、ここ3か月やってきた。最初が肝心だと思う。

 また、港湾空港事業との統合メリットを生かせるものをできるだけ早く国民の前にお示ししたい。

 --国土交通省関東地方整備局の役割と使命について改めて伺います

 奥野局長 広域的な観点や地域づくり、国土づくりの観点からいうと、直轄事業は引き続き大きな役割をもっている。これに加えて仕事もさらに広がり地域のまちづくりの支援ができる機会が広がったと思う。

 広域的なもの、身の回りのものを含め、総合的に基盤整備を担当する部局であるから、行政分野でそういう手段を有効に活用してよりよい地域づくりを進めていくことが使命と考える。

 --統合のメリットを生かした具体的な事業について

 奥野局長 今後は道路、河川、営繕、港湾、空港などを1つの組織で担当することになる。その結果、例えば、港湾と道路、空港と道路を、より密接に連携して整備することができ、より大きな効果が期待できるようになる。

 例えば、世界に開かれた茨城県の常陸那珂港と内陸の北関東自動車道(東水戸道路)との連携利用は大きな意味での地域振興で大きなインパクトをもつ。北関東の各県が北関東自動車道を通して、港を利用しやすくなる。地域構造が大きく変わってくる事業だと思う。より密接に連携することによって、より効果的に港と自動車道の整備を進めたい。他方、公園と港を一体的に整備して、いろいろな体験ができるようにしたい。

 また、横浜のベイブリッジ。道路事業と港湾事業で整備を進めているが、供用へ向けてできるだけ早く整備を進めていきたい。空港と道路との連携施策事業では、13年度予算でも実施するが、成田空港と道路(国道51号の拡幅事業)との連絡をさらによくする。これも統合のメリットが生かせる事業だと思う。

 さらに、鉄道関係は地方整備局の分野ではないが、国土交通省の仕事であるので、鉄道と道路の連絡。新宿駅南口の新宿跨線橋の架け替え事業がある。常磐新線整備に併せて区画整理(公団・県)など含めて周辺のまちづくりと一体的に行っている。

 また、河川を使用した舟運事業。河川に船着き場(リバーステーション)を造り、災害時に舟運を活用して物資の円滑な運行を図る。バス停と連携がとれれば、陸上交通ともドッキングできる。交通の結節点にもなるので、統合のメリットを生かしたプロジェクトになる。連携施策を強力に進め、「統合して良かった」と言ってもらえる成果を早く国民にお示ししたい。

 --地域づくりの目指すべき方向について

 奥野局長 これは我々だけでできることではないが、地方建設局時代の昨年12月に1都8県と協力して関東地方の将来ビジョンの中間報告を取りまとめた。まだ、理念の段階で具体的なプロジェクトの提案には至っていない。また、東京湾の港湾計画の基本構想も中間取りまとめを行っているので、今年はこの2つを併せた、地方整備局及び各都県、政令市みんなが共有できるビジョンを取りまとめていくことを考えている。関東1都8県では、それぞれの地域に、それぞれの課題はある。例えば、南関東地域では大都市の再構築、リノベーションをどう推進していくか。全国総合開発計画では一極集中から多極分散型の国土構造への転換を支える幹線交通ネットワークの必要性がクローズアップされている。

 また、先月末に北・西関東地方懇談会が開かれ、各県の要望が寄せられたが、多極の1つの核となる拠点整備を行うことにより活力ある地域づくりを進めることも大きな課題であり、これを含めたビジョンを年内目途にまとめたい。

 --関東地方整備局としての重点事項は何か

 奥野局長 東京外かく環状道路や首都圏中央連絡道路などの遅れている環状道路の整備。地域、都市構造を変える意味でも全力で整備したい。八ツ場ダムの補償基準をできるだけ早く締結して前進させたい。それに先程言った統合のメリットを生かす連携事業を進めていきたい。

 --西・北関東地方懇談会の要望について、今後関東地方整備局として、どのように、ビジョンづくりに反映させていくのでしょうか。南関東懇談会のテーマは決まっていますか

 奥野局長 今後の進め方として概ね10年後の姿や目標を示した。関東地方整備局のビジョンづくりにも反映させたい。南関東地方懇談会のテーマはまだ未定だが、これらの知事懇談会等で出される意見を踏まえて進めていくことになろう。

 --話しは変わりますが、入札・契約適正化法が今年度から施行されますが

 奥野局長 法律の政令、指針がまとまった。政令はすべての公共工事の発注者が実行を義務付けられるもので、指針は努力目標を示したものである。直轄事業を担当する立場から言えば法律の目的を的確に実現するために、模範を示さなければならないと思う。政令はもとより、指針に示されたことも極力実施していくことが求められている。今月から施行していくことになるが、これまで、具体的な中身をつめてきた。それによって、より透明性、公平性の確保を実現していく。やることが決まっているので具体的にどうするかが課題だ。

 --市町村への指導方法、浸透させるための手段については

 奥野局長 全ての市町村が適正化法に従って情報提供等を行うのは大変だと思う。国土交通省のやり方はこうだという風に広く情報を提供したり、また必要なアドバイスを行うなどしてお手伝いできるところは協力しながら、浸透させていきたい。

 --指名の公表について法律上は「契約後速やかに」が原則になっている。直轄事業(旧建設省)は指名通知後公表している。それが、本省内では、指名業者の公表については、指名後公表と契約後公表に意見が二分されているようです。関東地方整備局の意向は

 奥野局長 法律ではプロセスを含め、契約後には必ずに公表するとなっている。ただ、契約前に公表してもいいことになっているので、現行では直轄工事は指名通知後に公表している。これまでは発注者によって、事後、事前公表の違いはあった。国土交通省としては、公表の時期は本省で議論があるところだが、当面、関東地方整備局としては、指名通知後速やかに公表するという従前通りの対応を行う考えだ。併せて契約後の公表の試行も検討し、引き続き議論を進めていくことにもなろう。

 --指名メンバーが明らかになれば談合がやりやすいとの議論がある一方で、すべてを隠せば談合ができにくくなるとの議論も一方にはある。局長の見解はいかがですか

 奥野局長 もともと談合自身あってはならないこと。入札参加者の公表時期については、今後いろいろ議論がなされるものと思う。

 --宮城県では、ある一定の資格条件をコンピュータに登録させて、発注者の恣意が入らない入札方式を考えているようだが。一定の資格があれば、みんなでいらっしゃいということもある。

 奥野局長 ある意味では一般競争入札だと思う。ある一定の条件の設定が、どの程度できるのかにもよると思うが、工事規模、内容によって入札の方法はいろいろあってしかるべきだと思う。何もかも一般競争入札ということは工事の品質を確保するという観点から言えばいかがなものか。

 一方、企業の技術力を適切、かつ公正に評価できる仕組みやデータベースを構築していかなければならない。指名に当たって、「私は適切に評価されていないのではないか」、あるいは、「実績のない業者は指名に未来永劫に入れないのか」ということは、我々の務めとして、そのようなことがないようにしなければならない。

 --業者カルテはいつ頃から着手するのですか

 奥野局長 企業の工事の出来映えなど、まずデータを蓄積していかなければならない。また、企業の方でも自己ピーアールしていただきたい。

 --最後に、業行政(許可)についてはいかがですか

 奥野局長 関東ブロックは大臣許可業者は全体の4割にものぼる。地方整備局単位にしたことによって「スムーズに処理できるようになった」と言っていただけるように、がんばっていきたい。

 --ありがとうございました



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