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茨城県大工町1丁目地区市街地再開発組合

再開発ビルにホテルオークラが進出、来年度着工へ

2001/04/17 日本工業経済新聞(茨城版)

 茨城県水戸市の大工町1丁目地区で計画されている市街地再開発事業で、事業主体となる同地区市街地再開発準備組合(西野一郎理事長)は、来月にも本組合設立申請を行い、6月にも発足させる計画で準備を進めている。

 同再開発事業は、①ホテル・業務棟②マンション③温浴施設-の3棟で構成する複合施設(SRC造地下2階地上17階建て延べ約5万6、950㎡)を建設するもので、そのうち高層ホテルには(株)ホテルオークラ(松井幹雄社長)の進出がこのほど決定。ホテルの計画規模は延べ約1万1、000㎡で、客室100室のほかに宴会場などを設ける。一方で、施設全体の基本設計の策定も進んでおり、9月ごろには詳細設計の策定に着手するとともに、施工業者の選定を進める。その後、順調にいけば来年度に着工、平成17年度の竣工・開業を目指していく。総事業費は約153億円。

 事業の計画区域は、国道50号と県道上水戸停車場千波公園線が交差する大工町1丁目の約1・5h。組合施行による再開発を促進し、近隣の偕楽園や千波公園などの観光資源や湧出した温泉などを活用した複合施設を建設し、中心市街地の活性化を図ろうというもの。地元では、再開発準備組合を発足させ事業化への合意形成を図るとともに、11年11月には都市計画決定した。

 計画施設のうち、中核となるホテルの誘致についてはこれまで数社と交渉を重ねたが、国内地方都市への積極進出を進めている(株)ホテルオークラとこのほど正式に合意した。

 計画によると、ホテルは、業務・商業施設とともに地上17階地下2階の高層ビルに入居。客室100室、宴会場、料飲施設などを備えた都市型ホテルとする。建設にあたっては、オークラ側の出資を伴わない運営受託方式とする方向で検討している。

 同準備組合では、ホテル進出企業が決まったことを受け、来月上旬にも本組合の設立を申請、順調にいけば6月にも正式に発足させる。

 また、現在進めている施設基本設計の策定をまとめ、9月ごろから詳細設計の策定に取りかかる。併行して、施工業者の選定も進めていく。加えて、マンション(163戸)の分譲方法や温泉施設の運営策なども検討する。これらが順調に推移すれば、来年度にも着工、17年度の竣工を目指す。

 なお、基本設計の策定は(株)山下設計(東京都)が担当している。

 ホテルオークラグループは、国内3大ホテルの一つとして国内外に20軒を展開。今後の事業方針として、地域密着型のリージョナルホテル事業に積極的に参画することで地域活性化を担うことを掲げており、本県内では、同再開発事業に進出するほか、つくば市でも筑波第一ホテルの運営に参画している。

 施設計画およびホテルの概要は次の通り。

【施設計画】

▼敷地面積=9、600㎡

▼建築面積=7、900㎡

▼延べ面積=5万6、950㎡

※用途別内容

 ①宿泊施設(約1万2、600㎡)=客室100室、宴会場(中3、小6)、チャペル、ホテル主要部の床面積は約1万1、000㎡

 ②温浴施設(約4、300㎡)=天然温泉風呂、各種レジャー風呂、各種サウナ等

 ③商業施設(約2、600㎡)=ナショナルチェーン、地元飲食店、物販店等の誘致

 ④業務施設(約8、400㎡)=一般企業、クリニック等の誘致

 ⑤住宅(約1万4、700㎡)=163戸、ファミリータイプを中心とした分譲マンション

 ⑥駐車場(約1万4、350㎡)=約360台

【ホテル概要】

▼構造=SRC造地下2階地上17階

▼延べ面積=約1万1、000㎡

 ①客室(100室)=シングル(22㎡)、ダブル(26㎡)、ツイン(32㎡)、デラックス、スイート

 ②料飲施設(3箇所)=コーヒーショップ(60席)、中国料理レストラン(70席)、メインバー(40席)

 ③宴会場(9室)=合計1、240㎡、中宴会場3室(400㎡、200㎡×2)ほか

 ④その他付帯施設

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