コラム

2002/10/21

バトンで結ぶ「向上心」(本・HK)

2002.10.21 【バトンで結ぶ「向上心」】

▼先だって、日本短距離界のエースでアジア最速スプリンターの伊東浩司(32歳、甲南大AC)が第1線を退くと表明した。彼は陸上競技の花形100mを10秒00で走る記録保持者。夢の9秒台が期待されていた。彼は「未練はあるがきつい練習をするための向上心をもてなくなった」と語った

▼しかし、今「向上心」に満ち溢れている男がいる。それが日本短距離界期待の新星末續慎吾(22歳、東海大4年)だ。伊東と末續は、バルセロナ五輪8位の高野進(東海大陸上部コーチ)の元で共に練習をしてきた。末續は伊東が10年かけて築いた練習法と理論(基盤)を貪欲に吸収した

▼末續の伸びは驚異的だった。200mで20秒4の手動日本最高を出すと五輪参加標準記録Aを突破する20秒67をマーク。末續は若干20歳でシドニー五輪代表に選ばれた。五輪では400mリレーの3走を走り、途中肉離れを起こしたにも拘らず気力でバトンを渡し6位入賞を果たす。この時、末續にバトンを渡したのが伊東であり、このバトンが新旧交代の合図だったとも言える

▼事実五輪後、伊東は甲南大の講師となり後進の指導にあたるようになる。一方、末續は01年日本選手権200mで優勝、同年世界選手権では伊東に次ぐ日本人2人目となる200m準決勝進出、400mリレーでは5位入賞と伊東の記録を猛スピードで追い駆けそして、抜いて行く

▼しかし、それは伊東の10年分の基盤だけではなく。それに耐え得る人並み以上の「向上心」を持ち合わせているからである。建設業界は社会基盤整備を築いてきた。ちょうど今、建設関係諸団体では総会花盛り、新会長就任など新体制が生まれいる。そこではどのようなバトンが手渡されてるのか。(本・HK)

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