コラム

2002/10/29

親切な迂回路を(さ・HY)

2002.10.29 【親切な迂回路を】

▼数年前『話を聞かない男、地図が読めない女』という本がヒットした。強引に内容を簡略すると、能力とは別に、男女の性差別について述べたものだ

▼読後の賛否は分かれるところだが、この中で、一点だけ納得してしまった点がある。本のタイトル通りだが、筆者も地図が読めない。進行方向を上にして、進路を変えるたびに、地図をぐるぐる回転させてしまうのだ。お陰で地図の四方はすっかり角が取れてしまった

▼こういう有様なので、不案内な場所で道路工事の迂回看板に出くわすと、少したじろぐ。看板には概略の迂回路が赤線で明記されているが、曲がり角の数に比例して、たじろぎは大きくなってしまう。こういう場合の迂回路は、道幅の狭い上に住宅が密集している場合が多い。見通しの悪い交差点の連続に、もう地図をぐるぐるする余裕は全く無い。先行車がいれば、ついて行ってしまうということもできるが一人ではそうもいかない

▼こんなとき、迂回路の途中の交差点などにもう一枚、矢印でも書いた看板があればどんなに助かるだろう。そこまでするのは過保護だと思うかもしれないが、葬儀場や式典会場への案内看板の量と比べてみても、不特定多数の人が利用する道路なのだから、過保護とは言い切れないのではないだろうか

▼地図も読めない女は車の運転などしないほうがよいのではないか、との声が聞こえてきそうだが、同著では、男性は室内の小物の配置に疎いとある。耳掻きを仕舞った場所が分からない人は耳掻きしないほうがいいんじゃないか、などと意地悪なことは言わないので、迂回案内に一考頂きたいと思う。(さ・HY)

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