コラム

2002/12/27

ヒット曲・大きいな古時計(さ・SE)

2002.12.27 【ヒット曲・大きいな古時計】

▼♪大きなのっぽの古時計、おじいさんの時計・・・子どものころから大好きだったというR&B(リズム・アンド・ブルース)で人気の平井堅さんがCD化して大ヒットとなっている

▼この曲は、19世紀のアメリカを代表する作曲家、ヘンリー・クレイ・ワーク(1832〜1884)が、1870年代に作ったもの。マサチューセッツ州グランビーに、モデルとなった時計が今もあるという。訳詞は3番までだが、原詞は4番まであり、「90年」となっているのを「百年」としているのは、語呂合わせの関係だろう

▼日本では昭和37年、NHKラジオで保富康午氏訳の歌詞で初めて紹介されて以来、だれもが口ずさむことができるほど、親しまれてきた歌だ。この曲を聞くと思い出すことがある。おじいさんではないが、祖母の住む家にボンボン時計があった。1週間に1度でいいものを1日1回、踏み台に乗ってネジを巻くのが祖母の日課だった

▼その時計は大きなのっぽの、とまではいかないが、比較的大きなものだったと記憶している。昭和30年代までは、どこの家庭でも当たり前のように柱にかけられており、1時間ごとに打つ、その時の鐘は、今も耳の奧に残っている

▼私が高校生だった冬の午前3時ごろ、子ども、孫、ひ孫たちが見守る中、祖母は病院で静かに息を引き取った。家に戻った時、その時計は3時を指したまま動かなくなった。以来、時計は止まったまま、今も仏壇のそばに置いてある。赤茶けた踏み台とともに。NHKの大晦日の紅白歌合戦に平井さんは、この歌ってくれるのだろうか。各家庭それぞれににカラーの違う感慨を残している。(さ・SE)

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