コラム

2003/02/07

相撲に見る国際化(新・KK)

2003.02.07 【相撲に見る国際化】

▼大相撲の初場所はモンゴル出身の大関・朝青龍の2場所連続優勝で幕を閉じた。この結果により朝青龍は第68代横綱に昇進。曙、武蔵丸に続いて3人目の外国出身横綱が誕生した。これで来場所の番付は史上初めて最高位から日本人力士の名前が消えることになる

▼また、初場所で特筆すべきは十両以下序ノ口までの5階級のうち4階級で外国人力士が優勝したことだろう。その出身地はモンゴル、グルジア、ブルガリアと様々。もっとも初場所には過去最多の実に11カ国52人の外国人力士が出場している

▼大相撲は間違いなく国際化の時代に突入したが、これをチャンスと捉えて本当に強い日本人力士を育ててもらいたい。大相撲の例を見るまでもなく、日本の社会では外資系企業の進出などにより国際的な競争力が必要となっているが、国際的な競争力に刺激されることで日本人も日本企業も良い方向にレベルアップしているケースも多い。要は日本人の長所を残しながら、国際化によって生じるメリットを積極的に取り入れて行けば良い

▼現時点における最後の日本人横綱・貴乃花は、謙虚、不言実行、言い訳をしない等日本人の持つ美徳の体現者であった。こういった精神は、薄れてしまったとはいえ国際社会の中において今後も日本人特有の大きな武器として世界に通用するだろう

▼貴乃花の稽古は常に基本に忠実で、特に四股、摺り足を重視することで脅威的な足腰の強さを生み出したという。それが優勝22回の実績を生んだ。今後、どんなに国際化が進んでも、仕事をする上で足腰(基礎能力)を強化し基本に忠実に動くことの重要性は変わらない。(新・KK)

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