コラム

2003/03/11

垂涎の名作中村「武蔵」

2003.03.11 【垂涎の名作・中村「武蔵」】

▼ソメイヨシノは開花(5,6輪開いた状態)から概ね1週間で満開になるという。今年は例年より多少早くなるようで、関東地方は東京が3月26日、水戸3月30日、前橋3月25日、熊谷3月25日と予想。春はもうすぐだ

▼宮本武蔵は姫路城天守閣に約2年間、沢庵和尚によって幽閉され、ひたすら勉学に励む。心を会得し解放されるが、姫路城を振り返るその時、周囲には桜が咲き誇っていた。記憶は曖昧であるが1961年、内田吐夢監督によって映画化された中村錦之助(後に萬屋錦之助と改名)・武蔵にそんなシーンがあった。青空と桜で心の解放、暖かさが表現された

▼全く筆者の独断偏見であるが、今日まで数多く映画化された「宮本武蔵」の中でベスト1はこれを置いてない。1961年から1年1作のスタンスで5年かけ5部作った。キャストは佐々木小次郎・高倉健、お通・入江若葉、又八・木村功、沢庵和尚・三国連太郎等。文字通り絢爛豪華

▼今日まで宮本武蔵は、片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、三船敏郎、高橋英樹等の名優で数多く映画化されてきた。中でも中村錦之助・武蔵の「動」、それに加えてお通役・入江若葉の楚々とした「静」の演技は対照的でお互いを引き立たせた好演である。吉川英治の原作で、お通役は武蔵役以上に大切なのである

▼余計な蘊蓄はこの程度にして、筆者推薦のこの作品が東映ビデオから春分の日の21日DVDで発売される。奇しくも武蔵が活躍する京都や兵庫県姫路市周辺はこの頃桜の開花が予想されている。柔らかい日差しで花々が目覚める日も遠くはない。日本の経済が春爛漫となる日はまだまだ先のようであるが。

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