コラム

2003/03/18

暗中模索の新分野開拓

2003.03.18 【暗中模索の新分野開拓】

▼平成15年度の当初予算が見えてきた。ご多分に漏れず一般会計は元より公共事業等投資事業は軒並み削減。景気回復の兆しが見えない訳だから当然といえば当然。春の兆しは確実に見えているのに

▼国の補正予算に基づく事業で「新分野」進出をテーマにセミナーが活発に開催されている。背景は「公共事業は今後3〜5年間でピーク時の4割程度減少する。公共事業だけでは食えません。早く新しい分野へ転換するなど方策を考えなさい。手はお貸ししますよ」と言うこと。バッサリと突き放されたのだ

▼セミナーでは当然事業量の減少を痛烈に印象付けられる。そして、まず事業待ちの経営者、指示待ち社員のスタンスが問われる。ひたすら発注者に頭を下げて工事を請け負けするのが建設業界の避けられない形態であった。経営者は本気で頭の入れ替えをしなければ、新分野への進出は厳しい。進出しても失敗の憂き目にあうだろう

▼?日本コンサルタントグループの平林修二氏は、地方業者のメリットを?地元のマーケットを熟知?人脈が有る?ルートが豊富であると分析する。そうした中で?建設廃材、残材の利用?ゴミ収集、清掃、維持の地域サービス会社?農業支援、土地活用会社?環境関連ビジネス(電力等エネルギー)?介護・福祉などの成功例を列挙

▼新分野では「一円単位の感覚」が必須と言う。今日、丼勘定的なダンピングが多発しているが、真に正反対の感覚が要求される訳だ。新分野進出で成功例だけがクローズアップされているが、実は10%程度という説もある。模索しながら、もう一度足下を見直すことも重要かもしれない。

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