コラム

2003/04/17

電子がスタート(前・HH)

2003.04.17 【電子入札がスタート】

▼「○○事務所ですが、入札の結果に誤りがありました」。すでに新聞の原稿は、印刷所へ搬入されており、間一髪で誤報にはならなかった。昨年度末、国の補正予算の配分を受け、国土交通省の各地方整備局からまとまった工事が発注された。この誤りは電子入札で実施された工事であり、最終的なチェックで判明したものだった

▼国土交通省の工事及び建設コンサルタント業務などの電子入札が、いよいよ今年度から全面的に実施される。入札に参加するためには、複数ある認証局から一つ又は複数を取得し、そこから発行された電子証明書及びインターネットを利用するため、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークの環境整備などが必要となる

▼ご承知の通り入札会場へ出向く交通費や人件費などの削減が図られ、全体的にかなり合理的なコスト削減になること。また、談合防止など入札自体の透明性、公明性を確保出きるなどの理由で国土交通省の電子入札が導入となった

▼これに併せて、各都道府県及び市町村でも、電子入札に向けた検討が進められ、実施されている。数年後には、電子入札がごく当たり前のような時代が到来するだろう

▼IT文化が発展し、いよいよ建設業界もペーパーレスへ。当面、慣れていない入札のため、最終的には、「人」の「手」によって処理されるため、時間もかかり誤りもありえる。特に、地域に密着する社会資本整備の施工者選定で、工事の受注者側が決まる瞬間に味気なさを感じる。ある入札関係者の「入札は、フェイス(顔)toフェイス(顔)」という言葉が今も心に残る。人と人の関わりがインフラの原則だから。(前・HH)

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