コラム

2003/05/03

規制されるディーゼル車(さ・YW)

2003.05.03 【規制されるディーゼル車】

▼いよいよディーゼル車の運行規制が10月から施行される。成熟した車社会の日本にとっては、とりわけ事業者にとっては頭の痛いことだろう

▼先の神奈川県、東京都の知事選挙ではいずれも環境対策、特に首都圏という広域的な立場における環境政策でディーゼル車の規制について触れている。1地域やただの環境対策でとどまらない社会的な問題に発展しているのがディーゼル車から排出されるガス、そのガスによる環境悪化なのだ

▼昨今、環境問題および環境に対する政策には、地域の住民にとって最も関心の高い話題になっている。参考までに13年度の首都圏の自動車排出ガスの測定値は、浮遊粒子状物質(SPM)では約7割が環境基準の未達成という結果が出ている。そこで、首都圏の1都3県では規制の条例を制定し、今年10月から施行する

▼ここで問題なのは、ディーゼル車を多く抱える運送、ゼネコン等限られた業界に押しつけてはいけないと言うことだろう。国、県などは補助金や融資制度を設け支援しているが、その金額が決して多くはない。駆け込みで対応している事業主は不満なのが現状のようだ。埼玉県のある業界団体は「社会的背景は理解を示すが、各社の対応するための助成制度は不十分」とため息

▼実は、同じようなことがアメリカの建設雑誌「ENR」に掲載されていた。環境保護庁は大気浄化基準に対して厳しい基準を設定する際に業界団体のロビイストが行き過ぎではと抗議。健康、環境などの審理とコスト分析の審理を開くよう米国最高裁判所に主張した。つまり、業界の生死にかかることなのだ。官民の協力が不可欠である。(さ・YW)

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