コラム

2003/05/21

新型肺炎の警告(甲・EO)

2003.05.21 【新型肺炎の警告】

▼新型肺炎が依然として猛威を振るっている。中国を汚染源としたものだが、コロナウイルスとされる病原体の謎が解明されていない。そのため患者の隔離しか手だてが無く感染者や死者も毎日増え続けている

▼人間の歴史の中でエイズやエボラ熱などのように、ウイルス感染は当然だが今回が初めてではない。特に、14世紀にヨーロッパに蔓延したペストは、総人口1億人のうちの3分の1とも言われる3000万人もの死者を出した。エネルギー資源として森林を大量に伐採、この環境激変で大量にネズミが発生、ネズミのノミを媒介とした汚染がたちまちのうちに広がった結果だった

▼こうしたウイルスの発生は、人類に対する警告ともとれる。我が国におけるBSE(牛海綿状脳症)の手痛い前例にもあるように、欲得のための生き物の扱い方や地球環境への対応などが問われる。グローバル時代の中で、外国と行き来する機会も自由で数多くなったため一歩間違うと、あらゆる国の人間同士が感染してしまう危険と隣り合わせなのだ

▼私たちは電気やガス、自動車を便利に使ってエネルギーを大量に消費している。電気の54%は化石燃料(石油、ガス、石炭)から作り、自動車も石油(軽油やガソリン)で走っている。このため二酸化炭素や酸性ガスを排出して気候の温暖化と酸性雨をまねき、森の木を立ち枯れさせたり、生き物を苦しめている

▼こうしたことを常に思い、少しでもエネルギー負担を少なくしていく行動を一人ひとりが継続していくことが、まずは重要と思う。なにはともあれSARSの蔓延が一時も早く終息するよう心から願う。(甲・EO)

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