コラム

2003/08/27

宝の山沈む海底領土(本・MM)

2003.08.27 【宝の山沈む海底領土】

▼『旅行地理検定国内地理編』で、真っ先に学習するのが日本の位置と範囲である。「日本はユーラシア大陸の東の縁、朝鮮半島の先の太平洋上に浮かぶ島国」で始まる。日本の全長約3000キロ、国土面積約38万平方キロ、沿岸から12海里までを領海等と教えている

▼西端が東経約123度、沖縄諸島の遠く南西にある「与那国島」。南端が北緯約20度の「沖の鳥島」は台湾より南方の場所にある。東経154度にある東端「南鳥島」は硫黄島のはるか東方に浮かぶ。北端はというと択捉島だ。日本は緯度的に北アフリカ、地中海、経度的にオーストリアの真北に横たわる

▼扇千景国交相の音頭で「大陸棚調査を国家プロジェクト」にしようとする動きが本格化している。日本周辺の海底資源の採決権拡大は相当の国益をはらむ。海底の地形、地質が日本と地続きであることを国連に証明し、認定されるために残された期限は2009年5月までという

▼海上保安庁は海底精度調査を今後4年間で行なう心積もりらしい。地形調査という科学的研究の意義もさることながら、国連に認知されると国土面積の1・7倍の約65万平方キロの海底領土が手に入る。つまり最大350海里の経済水域を占有できるために、金、マンガン、コバルト、天然ガスのほか、抗がん剤やリュウマチ治療薬などの生物資源が日本のものになることを意味する

▼宝の山が豊富に沈んでいることはすでに確認済みのようだ。資源に乏しい日本にとっては垂涎の的であろう。技術立国に相応しい国家プロジェクトが景気を刺激する日も近いと思うのは、不況に悩む日本国民の自然な成り行きだ。(本・MM)

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