コラム

2003/08/30

「つつが無きかや・上」(本・MM)

2003.08.30 【つつが無きかや・上】

▼なかなか1年を通じて「つつがなく」とはいかないようだ。目標へのチャレンジ営業がすっかり習い性となり、上期にあれほど順調に行っていたものが、下期のスタートを切るや芳しくない

▼小鼻をうごめかし邁進していたが、冷夏にでも祟ったのかここ1か月不運の連続である。出張帰りに落雷による待ちぼうけに遭った翌日から、痛み出した踵(かかと)が相変わらず続いている。圧巻なのは盆前に墓掃除をした途端に3匹もの蝮(まむし)に一撃された。毎週何かが私の身に降りかかっている

▼十二支の活動が凶変する日とされる三隣亡(さんりんぼう)ではあるまいが、恐らくバイオリズムが底を突いていたのだろう。行動範囲を縮めるしかないようだ。木の芽時ではないが、逆に浮かれ気分を戒める、よい薬になったと気持ちを入れ換えている

▼血清を打ち、一命を取り留(と)めたとはいえ、毒素による脱水状態が続き、排尿が打ち切られた。水分の補給に躍起になったのも初体験だった。傷口は出血、化膿、アザと三拍子揃った。「馬の血清だからアレルギー反応が出るので馬肉は食わぬように」と医師から警告された。「午年のせいか馬肉が好物」と申したら医師から「共食いはやめとけ」と戒められた。とんだ一夏の経験だった

▼気を引き締めるのに越したことはないが、今度は親戚筋から「塞翁(さいおう)が馬」と同情された。また馬が出た。禍福はあざなえる縄のごとしと分かってはいても、不運は不運である。馬が福で蛇が禍なのか。そういえば、「つつがない」とは「人の腹に入って急性の熱病を起こさせた害虫」からツツガムシに変形したものらしいが、困った害虫に好かれたものだ。(本・MM)

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