コラム

2003/12/13

スタジアムの力(新・KK)

2003.12.13 【スタジアムの力】

▼サッカーJリーグ・J2所属のアルビレックス新潟が来季からのJ1昇格を決めた。昇格の最大の後押しとなったのは強力なサポーターの応援で、年間観客動員数は実に66万人を超えた。もちろんJリーグ史上最多の動員数であり、地域密着型の発展を目指すJリーグの理想が形になった

▼昇格の要因として他に忘れてはならないのが、4万2千人を収容する新潟スタジアム(ビッグスワン)の存在だ。熱心なサポーターだけに限らず、このビッグスワンのお陰でJ1に昇格出来たとする声は非常に多い。今季、ビッグスワンで行われた試合で負け知らずだったのだから当然だろう

▼ビッグスワンは今でこそ新潟の象徴とも言えるが、建設計画が順調に進んだ訳ではない。建設の契機は昨年のワールドカップ日韓大会であるが、招致が正式に決まる前に動き出した計画であり、事業費も3百億を越えるとあって巨大なスタジアムの必要性を疑問視する意見は多かった

▼先見の明があったといえばそれまでだが、結果的にビッグスワンの建設は成功している。既に第1種公認陸上競技場への改修工事も終えており、今後は陸上競技大会やJ1の試合、コンサート等で更に利用頻度が増すだろう

▼とかくハコモノ公共事業では費用対効果やソフト・ハードの両立が特に要求されるが、ビッグスワンはその好例といえる。新潟のサポーターは観戦マナーが良く、率先してゴミ拾いをするなど維持管理に対する意識が高いという。今後も利用者と管理者が一体になってソフト面で数々の歴史を生み出して行けば、伝統あるスタジアムとして永遠に語り継がれるにちがいない。(新・KK)

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