コラム

2004/03/24

梅の花と菅原道真公(本・MM)

2004.03.24 【梅の花と菅原道真公】

▼梅の花は春を引き寄せ、心に希望をもたらす花であるといわれる。梅の花といえば、菅原道真公の「東風吹かば、にほひをこせよ梅の花、あるじなしとて、春を忘るな」が思い浮かぶ。「梅の花よ、私が都からいなくなっても、決して春を忘れないでくれ。春らしく東風が吹いたら、また梅の花を咲かせておくれ」

▼道真を慕い、一夜にして飛んできたと伝えられる梅は、大宰府天満宮本殿前に「飛梅」として育ち、今も香り高い花を咲かせている。失脚、病死、怨霊と数奇な運命をたどった道真が亡くなって今年は数え1102年忌にあたる。文学者として政治家として右大臣まで登りつめた道真を待っていたのは、藤原氏の策略による大宰府への左遷だった

▼失脚後、道真が自邸を去るときに詠んだのが「東風吹かば〜」。配流後、雁にも劣る我が身の不運を嘆き、「私は西の果てに左遷された仮の住まいとする身の上、お前(雁)は北の空からきた客、お前は来春になればまた帰れようが、私はいつになったら帰れるやら」と望郷の念が募る

▼道真の没後、都では風雪、落雷、火災などの天変地異が相次ぎ、道真の神罰とされ「怨霊神」として恐れられた。朝廷も道真の名誉回復に務め、正一位、太政大臣を贈り、神として敬うようになった。さらに、「文章の大祖」と称えたことから「学問の神様」になった

▼道真公と「ご縁を持ったらいいのか、悪いのか」と思いつつ、大宰府天満宮を参拝した時のこと。小銭60円を賽銭箱に。冗談であろうと思うが「ろくでもない(60円)、ご縁がくるそうです」と云われた。さて、「怨霊」と出るか「神様」と出るか。(本・MM)

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