コラム

2004/04/06

「歩切り」否「割切り」(水・YH)

2004.04.06 【「歩切り」否「割切り」】

▼桜の最長開花記録は20日、最短は3日という。一概に「花の命は短くて〜」でもない様だ。美しいものを長く愛でたいとする心情がはらはらと散る風景にマッチしたものなのだろう。東北まで前線は北上した

▼世の常だが長短、多少、大小等いわゆる度量衡はすべからく差異を推し量るの際には大いに説得力のある方法だ。先般、総務省が「平成15年地方公務員給与実態調査結果」なるものを公表した。ご存じのラスパイレス指数である

▼最近は余り大きく取り上げる報道が無いが、実は粛々と調査が毎年進められている。国の平均給与額を100として算出した指数だ。国家公務員の給与を基準とし、これに基づいて起債や行政指導をしようとする目的で昭和49年から開始。今回の結果は一般職で開始時が110・6で今回は100・1まで下がっている

▼都道府県で高い順に1位が静岡県103・8、2位愛知県103・4、3位茨城県103・3。逆に低いのは1位長野県95・8、2位鳥取県97・3、3位島根県97・8。具体的に給与額だが42・4歳平均で手当を含め月44万9972円。重箱の隅の世界かも知れないが、これを「高い」いや「低い」とする議論は大いに熱のこもるところである

▼建設業界では近年発注者は「歩切り」と称し、大幅な工事費削減方法が当然の様に行われている。本来は実行予算から「歩」レベルの端数を切り捨てる、いわゆる事務上の合理化が目的であった。しかし最近はコストダウンとし10%、20%と「割」レベルで切り捨てる。こうした背景の中で、業界に健全な発展を求めるならそれは全く矛盾した手法なのだが。(水・YH)

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