コラム

2004/04/08

あいまいを好む文化(さ・YW)

2004.04.08 【あいまいを好む文化】

▼再びオリンピック女子マラソンの代表選考について。今回に限らず毎回繰り返されるこのドタバタは恒例にすらなっている

▼アメリカなどは1度で決着をつけ上位をそのまま代表にしている。公平・平等で誰もが納得のいく方法であり、物事の白黒をハッキリとつけることを好む国民性である。今回の一件でも基準が発表はされているが、明瞭ではなく、選考レースが多すぎて諸条件が異なり平等・公平ではないことは一目瞭然。また、このようなあいまいで主催者側の裁量権がどのようにでもなるため、毎回ごたごたになるのだ

▼しかし、何もこのような白黒を明確にせず、あいまいさを好むことは日本人の一種のメンタリティー文化とさえなっている。島国で外からの刺激があまりない国であり、それは聖徳太子の17条憲法にある「和を以って尊しと為す」にまで見てとれる。つまり長い間培われた文化なのだ

▼ここで問題にしたいのは、精神面のあいまいさはまだ良い。しかし、裁量権を持ち、それをあいまいと言うか、別の解釈に安易に置き換えるといった、あいまいさは市民にはどうも難解だ。それが公共事業等の発注者に見え隠れしてしてはいまいか。システムが異常に多様化しており、さらに明確なスタンスが理解できない

▼発注者の裁量権の中には指名のあり方、入札方法などがある。例えば、サバイバル方式、セレクトテンダーなど。裁量権とはある一定の白黒はっきりとしたあいまいさのないルールの中で行使するものである。不況の中で、血のにじんだ税金のからむことで、あいまいな政策が昨今非常に多いのでは無いだろうか。(さ・YW)

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