コラム

2004/04/14

和親条約調印150周年(本・MM)

2004.04.14 【和親条約調印150周年】

▼テレビ東京の経営者向け番組「ガイアの夜明け」が好評である。成功とも失敗とも覚束ない進行中の事業をドキュメンタリーで報道。プロデューサーの高原寛司氏によると「世の中を変えたい」という明確な目的を持ったトップを取り挙げ、「いま日本で起きている新しい時代の芽」を抉り出したいという

▼150年前の幕末に、世の中を変えようとした男達がいた。米国ペリー長官が黒船軍艦で開国を迫った時の落首にある。「泰平の眠りをさます上喜撰(蒸気船)たった4杯で夜も眠れず」。日米和親条約が調印されて今年で150周年になる

▼江戸幕府が結んだ日米和親条約は、幕府が鎖国政策をやめ、開国への第1歩を踏み出した最初の条約であったが、開国の衝撃は計り知れなかった。開国か攘夷で国論が分列。思想の違いが凶悪な暗殺事件を惹起し、庶民は怒りと絶望に打ち震え、日本は存亡の危機に立たされた。日英、日露条約も同じ年に結ばれた

▼このとき幕藩体制を根底から変えてやろうと起ちあがった男がいた。経営者でありながら薩長同盟と大政奉還を実現に導いた立役者、坂本龍馬である。「日本をいま1度洗濯いたし申し候」。過去、早すぎた維新計画、いわゆる福井藩主導による挙藩上洛クーデター計画の失敗を身をもって経験した男の言葉であった

▼龍馬は土佐藩を動かし、幕府に政権返上を迫り、次代の明治政権人事も構想した当時としては稀なる演出家だった。150年後の今、政治、経済、教育の綻びが広がり、改革の言葉が踊っている。今、龍馬の登場が期待される。そして平成の龍馬役を演ずるのは誰であろうか。(本・MM)

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