コラム

2004/05/01

新地名について一言(新・MS)

2004.05.01 【新地名について一言】

▼毎年増え続ける赤字国債。国、地方とも非常に厳しい財政状況だ。小泉総理の掲げる構造改革の一環である市町村合併が今年度ピークを迎える。来年3月末の合併特例法の期限を目途に、全国の各自治体では準備に大わらわ

▼新たに誕生した地名に驚いた。なんと「かな地名」が多発しているのだ。つがる市(青森県)をはじめ、いなべ市(三重県)、かほく市(石川県)、あわら市(福井県)、うきは市(福岡県)、みかも市(栃木県)、さぬき市(香川県)等等。このようなかな地名では意味がわかりにくいのではないだろうか。あきる野市が東京都だなんて全く想像すらできない

▼逆に、九十九里市(千葉県)、甲斐市(山梨県)、千曲市(長野県)、飛騨市(岐阜県)、吉野川市(徳島県)、四万十川市(高知県)などは、一目で地域が特定でき、その特徴、歴史や文化までもが感じ取れる

▼1971年4月29日、全国の自治体史上初の2市(高田市・直江津市)対等合併で誕生した上越市(新潟県)。この名には住民の強い思いも込められていた。国鉄の影響が根強い。上越地区を通っているのは信越線であって、上越線ではなく「紛らわしい」と言う意見もあった。しかし「上越市が成長し発展することによって逆にそのイメージを吸収する日が必ず来る」という望みをかけていた

▼今回の合併は504地域1954市町村にも及ぶ。新たに誕生する地名には歴史や文化は勿論だが、住民のプライド、願い、希望をも反映し、慎重に決めてほしいものである。一度決定された地名は、これから先ずっと後世に残るのだから。(新・MS)

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