コラム

2004/06/02

消えたライフライン(甲・SA)

2004.06.02 【消えたライフライン】

▼昨年の8月14日にアメリカ・ニューヨークで史上最悪の大停電が起きた。停電した時間も運悪く、仕事帰りなどで電車や車を利用する人を巻き込んで大混乱となった。完全復旧まで約30時間かかったそうだが、冷房もなく蒸すような暑さがテレビから伝わってきたことが記憶に新しい

▼ニューヨークの街並みを華やかに彩る豪華な夜景はその夜復旧することはなかった。水道の蛇口をひねれば水が出て、部屋のスイッチを押すと電気が付く。ライフラインが途絶えた時の生活は一変する

▼私事のたわいもない話で恐縮だが、夜になると不安に感じた時期があった。夜の暗闇から太陽がもし空に差さなくなったらどうしようと。「夜明けがもし来なくなったら」と考えたら恐ろしくなった。そんな日が来たら毎日朝でも室内では電気を灯し、外はいつも夜景が広がる。「昔は、外が真っ赤に明るい時間が1日のうちに何時間があって、また暖かかった。空は今真っ暗なんだけど、明るくなると実は青いんだよ」。夜明けのなくなった時代が来た時に太陽の存在を知る人は、こんな昔話をしてあげるのだろうか

▼昨年は暑かった時期が1週間程度と続かず、すぐに秋が来てとても短い夏だった。日照りがなかった分農作物にも影響が出た。それに比べて今年は観測最高記録に並びそうな勢いで、今月に入ってから早くも体が汗ばむ日々が続いている

▼停電などの災害やアクシデントは何時訪れるかわからないものである。災害に対して必要最低限の備えや、避難場所の再確認、家族と離れても連絡を取り合えるような約束事など十分心掛けておきたいたいものだ。(甲・SA)

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