コラム

2004/08/27

不断の闘志に拍手(水・KK)

2004.08.27 【不断の闘志に拍手】

▼例年にない猛暑に加え、アテネオリンピックでの日本選手の空前の大活躍。史上最高のメダルラッシュで寝不足の日が続くかうれしい悲鳴の暑い夏である

▼金メダル当確と目された男子柔道100?級の井上康生選手のまさかの敗退、競泳女子800?自由形で今季世界ランク1位で日本記録保持者の山田沙知子選手の予選落ち。こうした背景にはトップ選手ならではの調整の難しさがあり、想像以上なのだろう

▼スポーツ競技に勝つには心・技・体の調和が不可欠だ。オリンピックのようなレベルの高い試合では、世界各国から体力、技術とも超一流の選手が集まってくる。彼らは試合当日にピークをもってくる。技術は短期間で変動しないから、心理的にピークにもってこれた選手がぐっと勝利に近づく。逆に一瞬の精神面の変調が努力を無にしてしまうことも多い

▼4年に一度という周期に競技人生のピークを合わせなければならないオリンピックはアスリートにとって非情な舞台かもしれない。過去幾多の選手が周囲の期待に押しつぶされ、自分を見失い、敗れた。苦悩の時を経て、復活の道を歩みはじめても、次のオリンピックでメダルを手にした例は極めて少ない。記憶では88年カルガリー冬季五輪で銅メダルを獲得したスピードスケートの黒岩彰選手くらいだ

▼女子柔道78?級阿武教子選手、競泳山本貴司選手、アーチェリー山本博選手等々、アテネでは長い間静かな闘志を燃やし続け見事雪辱を果たした選手が多かった。今回のフィーバーはそんな人間の強さが胸に響き、勇気づけられたからではないだろうか。決してメダルの色や数だけではない。(水・KK)

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