コラム

2004/09/28

「毎日が日曜日」組の急増(水・YH)

2004.09.28 【「毎日が日曜日」組の急増】

▼遂に65歳以上の人口比率が19・5%を占めるに至った。総人口1億2761万人のうち男性1049万人(男性人口の16・9%)女性1435万人(同22%)の合計2484万人。概ね5人に1人の計算だ

▼総務省では、さらに高齢者(65歳以上)がいるのは3世帯に1世帯。10年後には25・3%で4人に1人が高齢者になるだろうと推測。暮らし向きについては高齢者単身住宅の設備水準は低い、高齢無職世帯の家計簿は約3万6000円の赤字、高齢者世帯の貯蓄額はほぼ1600万円などと分析している

▼凄まじい勢いで高齢化が進んでいる実態が改めて浮き彫りに。国民皆保険制度や医療機関の充実。さらに三大死因のガン、心臓病、脳卒中が早期発見・治療等で男性78・36歳、女性85・33歳と世界一の長寿国になった。本来なら長寿は喜ばしい限りなのだが「生き甲斐」等の観点からすると現実は厳しいのでは

▼城山三郎著『毎日が日曜日』は高齢者や定年退職者にとって教えられる内容が多い。例えば「気ままに長生き」するためには「少しばかり内容があり、働きがいのある生活が必要。何かひとつ軽く支えになるものがあり、軽く頼りにされるものがあっていい。日程表には適当に空白があるのがいい」などと。なかなかこうはいかない

▼高齢者を敬い、長寿を祝う「敬老の日」のテーマは昨今お役所主催の一日限りの単なるイベント。急速に高齢化社会になっているにもかかわらず、溌剌と生きていくための社会環境はまだまだ未整備。バリアフリーなど遅々として進まない。高齢者になって初めて気付くのでは遅い。他人事ではない日が目前だ。(水・YH)

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