コラム

2004/10/05

四苦八苦する人名漢字命名(水・YH)

2004.10.05 【四苦八苦する人名漢字命名】

▼女性の出生率1・29。5人に1人が65歳以上に。謂わずと知れた少子高齢化現象だ。厚生労働省が推計する以上に急速化している。新・エンゼルプランなどの方策が的を外れだした

▼そうした状況下で、法務省が488字の新人名用漢字を追加し、合計938字に。常用漢字1945字と会わせると2928字になった。今回の追加で多くのパソコンに未搭載の第3水準文字が107字も含まれる。ますます読めないで書けない人名が横行する事になり、パソコンで原稿を書く者にとっては憂鬱な気分になる

▼明治安田生命の調査による昨年の赤ちゃん命名傾向は、こうした背景もあってユニークな名前が多い。男が翔太(しょうた)、蓮(れん)、大輝(だいき)がベスト3。女性はさくら、七海(ななみ)、陽菜(ひな)の順。呼び名も大輝などはダイキ、タイキ、トモキ、ヒロキと、陽菜はヒナ、ハルナ、ハナとも読ませる。当然これらはワープロで一回では出てこない

▼同社調べによると大正元年は正一、清、正雄、女性は千代、ハル、ハナの順。昭和元年は男性が清、茂、三郎、女性は久子、幸子、美代子。さらに平成元年は翔太、拓也、健太、女性は愛、彩、美穂の順となっている。時代背景もあって興味深いが、かつての傾向はなんとも分かり易いし、率直に親の思いが伝わる

▼しかし「選択肢を広げて」との要望に応えたかたちだが、今回の追加では陰湿な漢字も多い。刹、妖、畏、闇等々。価値観の多様性から子供によせる思いはまちまちだ。昨今の命名傾向を見ると親の一方的なエゴが見え隠れしてならない。読めない氏名で四苦八苦する。(水・YH)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら