コラム

2004/10/29

考えることの大切さ(さ・AO)

2004.10.29 【考えることの大切さ】

▼先日、ラジオを聞いていて思わず「なるほど」と肯いてしまった。なんでかフラメンコで著名な漫談家・堺すすむ師匠が出演し、ラジオの素晴らしい点として、テレビと異なり、リスナー一人一人が、想像力を働かして聞いていいるというのだ。師匠のネタで、時速100キロでおばあちゃんが走るというオチがある。聞き手はそれぞれ、どんなおばあちゃんかと想像する。筆者は腰を曲げて杖持って、走っていく姿を思い浮かべた

▼確かに、師匠の言うとおり、テレビには映像がある。クイズ番組を除けば、視聴者はその絵を見ることで、想像、考えることなく認識してしまう。すんなりと受け入れることで、見ている者は、考えることすら忘れてしまうのかもしれない。「人間は一本の葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」とは、哲学者パスカルの『パンセ』の一節

▼これほど崇高にならなくとも、思考することが大切なのは理解できる。誇大妄想や妄想癖は困ったものだが、例えば考えることは、老化防止にも役立つし、子供の場合でも脳の発達過程において非常に重要であることが言われている。柔軟な思考、頭が柔らかいなどという言葉もある

▼厳しい財政状況から、自治体でよく聞く言葉に「予算が無ければ、知恵をしぼる」とある。少ない予算で、最大限の効果を求めている昨今の状況を如実に表していると言えよう。今年度も下半期に入り、17年度予算編成に取り掛かるタイミング。前例に囚われず、柔軟な思考、真摯な姿勢を以って、行政の英知を結集した、素晴らしい予算となるよう、祈るばかりである。(さ・AO)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら