コラム

2004/12/14

三位一体って一体何(水・YH)

2004.12.14 【三位一体って一体何】

▼小欄で何度か紹介しているが、三位一体とは「父なる神、子なる神イエス・キリスト、聖霊である神の三者は等質で不可分である。よって三つで一つ」であるとするキリスト教の基本教理の一つである。非常に意味深長で巷で議論されている「三位一体」とは意味が違う

▼政治の政策改革の趣旨を、崇高な教理に代用されるのは本来は本末転倒なのだが。「三つで一つ」の一体感だけを強調するために、政治の場に使われるには本当は恐れ多いことなのだ。幅広い教養を持つ小泉首相ならではの引用で、今年の流行語大賞候補の筆頭だろうと思われたが全くの外れ

▼現実、庶民感覚からは遠い「対岸の火事」的印象もある。「三位一体の改革」とは正直なところ解りにくい。しかし、どうやら国民感情からは「あまりメリットが無いのでは」と思えるのが一般的だ。いろいろな場で解説がなされているので理解されている方も多いだろうが

▼蛇足だが繰り返すと、国と地方の役割分担の検討や財政再建を進める改革である。具体的には「3兆円の補助金削減」「2兆4000億円の税源移譲」「地方交付税の見直し」をやろうというのだ。当然関係省庁、地方や国会議員等々それぞれに利害関係を生むために容易にはいかない。「あちらを立てればこちらが立たず」の原理である

▼世の中すべからく平等といかないのは現実。しかしである「みんなでやれば怖くない」は昨今の日本の社会現象だ。政府も実にいいところを衝いたものだ。「皆で痛い目に遭いましょう。そうしないと大変な世の中になりますよ」と言う。いつだって被害を被っているのは我々国民なのだ。(水・YH)

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