コラム

2004/12/21

読書力低下は師の資質に(水・YH)

2004.12.21 【読書力低下は師の資質に】

▼OECDの学習到達度調査結果について「要するに勉強をしなくなった」と中山文科相はシンプルに断じた。「教師の質の低下こそ根本」、「いや、家庭教育の悪化だ」等々、戦々恐々、右往左往の教育現場

▼OECD(経済協力開発機構)が加盟30カ国と非加盟11カ国・地域約27万6000人に及ぶ15歳の知識や技能の実生活へ応用力を測る調査結果を公表。文章やグラフの読解力は前回8位(522点)だったが14位(498点)に、数学応用力は前回1位から6位に順位をそれぞれ落とした

▼読解力の1位はフィンランド、2位韓国、3位カナダ。数学的応用力は1位香港、2位フィンランド、3位韓国がそれぞれベスト3。勉強時間は週平均1位がロシアで18・4時間、2位イタリア12・8時間、3位韓国12・7時間。日本は6・5時間。韓国をのぞき時間と結果が平行していないのが気がかり

▼実は校長への「指導の障害は」とするアンケートに問題の解答が見える。「改革に対する教職員の抵抗」42%、「指導が悪い」37%と先生の質を問題にする解答が非常に多い。一方で「生徒がさぼる」23%、「生徒による授業妨害」が12%などで、生徒が要因とするのは少ない

▼当然、先生の質は昨今の事件で明白だ。マニュアルを強調する日本の世相が型だけの先生や生徒を生み出す。教育基本法の目的(第一条)や方針(第二条)を原点にかえってシンプルに実践すれば良い。極論だが昨今の教育など熱意だけで十分に通じる。複雑な理屈のこね回し的マニュアルなどは必要無い。筆者には意外と点数の低い国の方が目の澄んだ子が多いと感じるが。(水・YH)

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