コラム

2004/12/22

電気を形ある物に(本・SY)

2004.12.22 【電気を形ある物に】

▼11月に開催された建設雇用改善推進の集い「建設業に働く若者からのメッセージ」で全国建設産業団体連合会会長賞を受賞した山路育丘氏(23)の作品「夜景に魅せられて」の冒頭の文章がある

▼「私は大学で電気電子工学を専攻した。同窓生のほとんどはメーカーに就職。そんな中あえてメーカーではなく建設業を選んだ理由は、目に見えない電気を形ある物として残していきたいと思ったからだ。電気が一番美しく見える時は夜である。…いつか自分も神戸の夜景のように、人の心に深く刻まれるような物を残したい。そんな思いを胸に秘めてこの会社に入社し、はや1年が過ぎた」

▼山路氏は現在、電気工事施工管理者として建設現場の第一線で活躍している。「人に使われる立場から、人を使う立場になることで、仕事に対する姿勢や、気構えも以前とは変わり、本当に一からのスタートといった感じである」と現在の心境を率直に述べている

▼山路氏の作品を読んでいて感銘を受けたのは、「電気」という目に見えないものを何とか形ある物として残したい、と一心に仕事に励む姿勢である。「電気が好きなんだなあ」と思った。日常生活全般にわたって電気はなくてはならないものである。しかし、普段は電気の供給を当たり前のように思いがちで、停電などで初めてそのありがたみがわかる

▼巷は既に12月。景気はいまひとつパッとしないが、夜の目抜き通りを歩くと、それぞれ工夫を凝らしたクリスマスのイルミネーションが赤、青、黄、緑と輝きを放っている。木枯らしが吹き始め、冬の気配が色濃いが、町を彩る夜景に心が温まるがしている。(本・SY)

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