2004/12/25
CSRの心をもつ(松・JI)
2004.12.25 【CSRの心をもつ】
▼CSR(企業の社会的責任)が注目されている。CSRは利害関係を有する主体「ステークホルダー」との関係を重視して企業が行動するもの。ステークホルダーは顧客や株主、従業員、地域住民、求職者、金融機関など多くの人々が対象となる。働きやすい職場づくりや障害者・高齢者雇用、地域とのコミュニケーション、環境配慮、情報開示、ボランティアなど企業の対応も様々だ
▼CSRを意識することで企業ブランド向上や優秀な人材の確保、市場からの高い評価、リスクのコントロールが得られるという。複数の企業が共同で評価基準を規格化しようという動きもあり、またISO(国際標準化機構)も2007年度の規格化を考えているようだ
▼山口義行著『経済再生は「現場」から始まる』(中公新書)では「CSRへの取り組みは大企業だけの問題ではない」「資材調達先や下請け中小企業にも取り組むよう求めるから」とある。全ての企業に関連するならば、策定される評価基準にも注目だ
▼CSRに習って自らの家庭的責任を考えてみた。喫煙による室内環境汚染、小遣いの使途情報非公開が問題だが、ゴミ捨て等の家事手伝いや居心地の良い家庭づくり、地域とのコミュニケーションは行なっているつもり。さてステークホルダーの家族はどう評価するだろうか
▼笹本雄司郎著『CSRの心』(第一法規)で著者は「自分のできるなかで、持続可能な発展に向かって、できることから行動を起こせば良い」と述べている。まずは身の丈にあった行動を始めることで、個人にとっても企業にとっても新たな指針が生まれるかもしれない。(松・JI)