コラム

2005/02/17

世界に広がる「道の駅」(甲・EO)

2005.02.17 【世界に広がる「道の駅」】

▼国土交通省が思想を体系化した「道の駅」が海外でも注目され、世界プロジェクト化してきた。道の駅は、道路を生かした古代以来の駅の思想だが、もっか世界の貧困、教育、疾病など途上国が直面する有効な解決手段として注目されている

▼道の駅は、同省の発案で平成3年に山口、岐阜、栃木の各県に実験的に設置。その後、平成5年には正式に要綱が策定され同年に103箇所が登録されたのを皮切りに全国に拡大。今では800箇所近くにも上り、今やドライバーなら誰でも知っている身近なものとなった

▼道の駅は、道路利用者のための「休憩施設」、道路利用者や地域の人々の「情報発信機能」、活力ある地域づくりを行うための「地域の連携機能」の3つを合わせ持つ。場所にもよるが、駐車場やトイレ、地元物産店だけではなく、観光や道路、気象の情報提供のほか、温泉保養施設、美術館、はてはオートキャンプ場を備えた所まである

▼地元自治体などが駐車場やトイレを整備するが、施設の中身や運営は地元の自由裁量・自己責任とした発想がポイントとなった。地元産品の売り上げは総じて好調で、地元農村等が直接販売できる新たなルートを形成したことにより、中高年を含めた地域の人々に自信と生きがいを与えている

▼この仕組は、海外でも注目され、世界のプロジェクトの名称は「MICINOEKI」。既に、世界銀行やアジア開銀が具体化に乗り出しており、アフリカのケニアや、中国の古代シルクロードに展開される。東西交易の道に同省の思想が逆上陸する格好。各国の文化は違っても「道の駅」の思想は変わらない。(甲・EO)

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