コラム

2005/03/25

マーケティングとクレーム(水・KK)

2005.03.25 【マーケティングとクレーム】

▼お彼岸も過ぎ、長かった冬も終りに近づいた。桜前線北上の便りとともにさまざまな別れと出会いの春がやって来る。入学、入社、転勤に備え新しい家具や家電製品を買い揃える人も多いだろう

▼薄型テレビ、DVDレコーダー、デジタルカメラなど新三種の神器と呼ばれるデジタル家電の好調な売れゆきで最近まで日本経済をリードしてきた家電業界もその業績にかげりが見えてきた。薄型テレビも1インチ1万円を切り、ずいぶんと安くなった

▼消費者にとっては安いにこしたことはないが、メーカーにとって利益率の低下は大問題だ。一社が新製品を開発、新発売した場合、希望通りの利益が得られるのは最初の数か月だそうだ。技術的に紙一重の他社が次々に追随し、価格競争にならざるを得ない。いかにして消費者のニーズを先取りし売れる商品を開発するか、マーケティングが大きなカギを握る

▼近年、日本の企業やその海外子会社のクレーム対応に関する失敗事例が続発している。消費者、客のクレームに迅速に対処しなかったり、法律に違反して内密に処理したり、海外での製品の欠陥や事故が本社に届いていなかったといったことが大きな問題に発展し、企業の存続を揺るがした例が少なくない

▼優良企業の多くはお客様相談室やコールセンターを設置しているが、顧客の率直な意見が企業に到達する比率はわずか1〜3%と言われる。また、不満などを抱えている顧客が積極的にその内容を企業に伝えようとする比率も1〜3%らしい。不満を覚えた人のほとんどは「黙って去っていく」。マーケティングとクレーム処理は企業発展の根幹をなす。(水・KK)

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