コラム

2005/04/09

「H2A」7号機とPFI(甲・TH)

2005.04.09 【「H2A」7号機とPFI】

▼宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2月26日に鹿児島県の種子島宇宙センターから国産主力ロケット「H2A」7号機を打ち上げた。ロケットは約40分後、搭載した運輸多目的衛星新1号「MTSATー1R」を計画通りに分離し、JAXAは「ロケットの打ち上げは成功した」と発表

▼2003年11月の6号機の失敗で危機的状況に陥った日本の宇宙開発は、信頼回復への一歩を踏み出し、国際競争が激しい衛星打ち上げビジネスへの参入にも再び道が開かれたように見えた

▼しかし、打ち上げ直前にロケットと地上設備とのデータのやりとりに不具合が発生し、予定より1時間16分遅れた時点では「また失敗か」とため息が漏れた。しかし、ロケットは何事もなかったかのように発射し、太平洋上空を東南東に向かって上昇、2段目から衛星を分離した

▼今回はJAXAに代わり、国内の宇宙航空メーカーが設立した打ち上げサービス会社「ロケットシステム」(東京)が国交省、気象庁から衛星打ち上げを受注。機体製造など打ち上げの最終作業以外の業務全般を請け負う、初の民間委託による打ち上げだった

▼民間委託と言えば建設業界でも、これまで公共部門が担ってきた社会資本整備を伴う公共サービスの提供業務、施設等の設計、建設、維持管理、運営等を一体として民間に委ねる「PFI」の手法が全国的に広まってきた。特に海外では、既にPFI方式による公共サービスの提供が実施されており、様々な分野で成果を収めている。PFIを実施する地方自治体が年々増加して中、建設業界もこれに積極的に対応していかねばならない時だ。(甲・TH)

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