コラム

2005/06/07

46歳年収100億円(水・YH)

2005.06.07 【46歳年収100億円】

▼多少遅くなってもこの話題を見送る訳には行くまい。04年分高額納税者の動向である。番付史上初めて投資顧問会社「タワー投資顧問」(東京都)のサラリーマン・清原達郎・部長46歳が1位になったのである

▼出来るなら比較したくないが、清原部長は推定所得額99億8000万円、納税額は36億9000万円。2位の斉藤成氏(前消費者金融会社会長)を3倍も上回る。因みにこのタワー投資顧問は1990年設立、社員10人で投資判断をする企業。成果主義による報酬だが、なんともため息の出るような世界である

▼上位常連で前年1位の斎藤一人氏(健康食品販売)は4位に後退。この企業も社員は数人。各界のトップを覗くと、スポーツ・佐々木主浩(野球)歌手・宇多田ヒカル、タレント等・みのもんた、作家・西村京太郎、文化人・平山郁夫、国会議員・大久保勉(参議院議員)等々。億万長者がずらりと並ぶ別世界の話だ

▼かつての土地成金と言われる傾向は遠い昔の話。近年は、当然だが人並み以上の才能に恵まれ、人並み以上の努力の成果であるのは言うまでもない。そこは長屋の八っあん、熊さんでなくても単位が合わないのだから話題にはなるものの、羨んだり妬んだりするまでも至らないから幸せだ

▼「富」についてピアスの「悪魔の辞典」によれば、要約すると「辛苦と徳行に対する報酬」(米の大銀行家モーガン)、「一人の者の手に帰した多数の者の貯蓄」(米の労働運動指導者ユージン・デブス)ーこれ以上の価値ある定義が見つからない気がする、と脱帽だ。「富は幸せと平行しない」。せめてこの程度の遠吠えで茶を濁したい。(水・YH)

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